Mo'BOPはこうくるか
★★★★☆
2003年5月22・23・24・26日ニューヨーク・スカイラインスタジオで録音。CD/SACDの金色に輝くハイブリット・ディスク。1.3.4.9は5.1chサラウンドにも対応とエンジニアリング的な技術の粋は尽くし、しかも紙ジャケット仕様と欲張りファンの欲求を満たす見事な仕様である。
“Mo'Bop(モーバップ)”というのはBlack Music的な音の響き。それは渡辺香津美New Electric Trioが提唱する新しい時代のBop、つまりジャズ、ロック、ファンク、ブルースといった様々な音楽ジャンルの垣根を越えた、いわば「新世紀のGroove Music」を指すそうである。具体的には、パット・メセニー・グループでのプレイで世界中を驚愕させたベーシスト、リチャード・ボナ。そしてサンタナやマイケル・ブレッカーのグルーヴを支えたNYファーストコール・ドラマー、オラシオ・エル・ネグロ・エルナンデスを組み込んでのトリオとなっている。
たしかに2あたりは、すごくブラジル路線の頃のパット・メセニーを彷彿とさせる。香津美のギター・フレーズも何となくメセニー風である。ドラムのオラシオ・エル・ネグロ・エルナンデスよりベースのリチャード・ボナのプレイが100倍目立っていて、メセニーよりむしろBRAND Xのパーシー・ジョーンズを連想してしまった。
聴きどころは・・・。
★★★★☆
このアルバムの聴きどころは「DADA」と「ROBO」の2曲に尽きます。
いわゆる一発もの的な曲ですが、インタープレイ豊富で緊張感があり、何とも言えない心地よい聴きごたえがあります。「DADA」はメセニーっぽい、という意見もあるようですが、単にシンセ音がそう思わせるだけで、1KAZUMIファンの私に言わせれば「これぞKAZUMIワールド」で、M7の世界をKAZUMIがやるとこうなる、という感じでしょうか。
この2曲についてはオラシオのドラムも大事な要素。スゴイの一言です。
他の曲も悪くはないんですが、この2曲だけでも「買い」のアルバムだと思います。
香津美さんよりも...
★★★★☆
リチャード・ボナ(ベース)の方が目立っています。
というか、ボナのアルバム!?ってくらい弾きまくりで、
信じられないくらいの神技のオンパレードです。
もはや速弾きに関しては、ジャコを越えています。
ただ、全編にわたってベースが主張しすぎていて、後半疲れるのと、
香津美さんがメインに聞こえません。
紛れも無く、超絶テクニック系ベースアルバムです。