もうすぐ、クリスマス。ウィロビーさんのお屋敷に届けられたのは、見たこともないような大きなクリスマスツリー。大広間に立てると、先が天井につっかえて邪魔です。そこで、執事のバクスターが先をちょん切って、切られた先は小間使いのアデレードに渡されました。アデレードが自分の部屋でそのツリーを机の上に置くと、はやり先がつっかえて邪魔。そこでアデレードも先をちょん切って、その先は庭師のチムの家へ。チムの家でも先が邪魔なので、また先をちょん切り、切られた先は、くまのお父さんのバーナビーに拾われて、その次はきつねのフリスキーが手に入れて……。
……というように、所有者の必要性に応じて、ツリーはどんどん先を切られ最終ページを迎えます。同じパターンに慣れてしまった後の、この落ちというか、締め方は最高! 作者に拍手喝さいです。原書の方は英語が韻を踏んでいて、リズムのある文章が楽しめます。
イラストのペン画が可愛いし、お話の展開も愉快だし、子供と読んでいて、笑いが絶えませんでした。特に、最後のページがとっても素敵。思わず、「かわいい~!」と親子で大笑いでした。