蛹
★★★★☆
とにかく『蛹』がいいサナギ。
これ、オネ−マン賛歌です。
(ちょっとウソ。オネーマンが私にとって何となく俎上に上げやすいだけ。声援はホントはもっと広範に向いてる)
カブトムシのサナギが土の中で長い間、
身動きとれず、這い出る機会を逃し続けて居るうち、
ツノだけが伸びて聳えて、ついに大木になるってお話。
外の世界を知らないカブトムシが、
森の一部になってたくさんの生き物をはぐくみます。
マツコさん? かばちゃん? いや、イッコーさんがいいかも。
暗喩を事細かに説くとイヤーナ話になるのでやめますが、
様々なことを諦めなきゃならない状況で、シンボル(ツノ・股間)に
本来の機能とは別の意味を得て、世界中の誰よりも優しくなる、という物語。
いい。
読後、出家したくなる。