「何故」の連鎖が全体を貫いている
★★★★☆
ある意味で現代生物学を代表する研究者であるジョン・メイナード-スミスが、このような初学者向けの入門書を書いているということを素晴らしいと思いました。もちろん内容もすこぶる良かった。翻訳もよく読みやすい。最近、生物学の入門書を何冊か読み、その学問的魅力にすっかり魅了されています。どうしてこんなに面白いんだろう?と考えてみると、(1)そこに「何故」の連鎖があり、(2)その何故の連鎖が生物(学)の全体像を形成している、せいではないかと思いつきました。学問というのは、一見対象の体系のように見えますが、たぶん本質的には何故の体系であるからです。