緩急自在のブルックナー・・・これも良い
★★★★☆
1949年8月30日の録音で、当然モノラルですが音質は十分に聴けます。第1楽章の出だしは、朝比奈流に遅めのテンポではじまるが、徐々に加速し、全休符の後にまた遅いテンポになったり、いかにもロマン派音楽らしい指揮ぶりである。マーラーを指揮するメンゲルベルクのようでもある。考えてみれば、ロマン派の音楽ですから、こういう解釈もあながち悪くはないのではないか、と感じてしまう。クナと言えば、「練習嫌い」で有名ですが、この演奏に破綻はなく、クナの指揮に付いて行けるウィーンフィルだからこそできる演奏だと思う。そういう意味では、非常にスリリングな対決(?)を体験できる事はこのうえない楽しさである。普通のブルックナー演奏に飽きてきたら、どうぞ。これだからクラシックは楽しい。