オーケストラのメンバーについて
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「燃えよドラゴン」「ファーストライト」でエレキピアノ(ヘンダーローズ)を演奏しているのは、1973年の来日公演でピアノを担当していたビル・メイズです。パーシー・フェイスは来日公演のたびに、素晴らしいピアニストを連れてきていました。1966年はジミー・ロウルズ、1971年はクルセイダーズのジョー・サンプル、1974年(ライブ録音を行っている)にはトム・ガービン、そして、最後の公演となった1975年にはグラミー賞を二度受賞したアラン・ブロードベントという豪華なメンバーでした。また、「マイ・ラブ」でのトランペットソロ(フリューゲルホーン)は、来日公演でも美しい音色を出していた伝説のトランペッター、バディ・チルダースです。ドラムスはアール・パーマーであることは間違いない。
若々しいサウンド感覚で魅了する
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「Corazon」「My Love」共1973年パーシー・フェイスのオリジナル・アルバムです。
#1,Corazon キャロル・キングのヒット曲をアルバム・タイトルにしたこのアルバムも、まずアングルの広さに選曲とフレッシュなアレンジ、演奏でポピュラー、ラテン、ジャズ、ファンまで満足すると思います。#8,My Heart Cries for You(あなただけ)パーシーのオリジナル作品ガイ・ミッチェルが歌ってヒットした曲です、ラストのミュートしたヴァイオリン・ソロの美しい音色が印象に残ります。
#12,My Love ポール・マッカートニーのヒット曲#19,And I Love Her So ペリー・コモのヒット曲、どの曲をとってもこのアルバムはパーシー・フェイスをオールド・タイマーのように思い込んでいる方々を驚かし、昂奮させてしまうナウなアレンジ、ダイナミックな演奏を聴かせます。
パーシーの斬新なアレンジが光る名盤
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1973年に発表された2枚のLPが一つになった大変お買い得なCDです。
“CORAZON”はエレクトリック・サウンドを大胆に取り入れた曲とストリングスが美しい音色を奏でる曲とがバランスよく合わさったアルバムです。ラストのフレディ・ハバード作“First Light”は、数あるCTIレーベルの曲の中でも印象的なメロディー・ラインをもつ演奏時間11分の大作なのですが、ここでのパーシーのアレンジは秀逸です。スリリングなドラム、テーマを奏でるオルガン、ビル・メイのエレクトリック・ピアノ・ソロ、素晴らしいの一言です。この曲が本アルバムを特徴づけているといっても過言ではないでしょう。また、本CDにオリジナル・ライナー・ノーツが掲載されているのもうれしい限りですね。
“MY LOVE”は、タイトル曲だけでも聞く価値があるアルバムです。原曲は勿論ポール・マッカートニーが作曲しウィングスが演奏して大ヒットとなった曲です。この曲のアレンジにはレーモン・ルフェーヴルなど他のオーケストラが挑戦してきましたが、パーシーのアレンジに勝るものはないと思います。また、発売当時のレコードの解説でエンディングがパーシーらしくないと書かれていたケニー・ランキンの“Peaceful”は、昔もそうですが今聞いても素晴らしいアレンジだと私は思います。