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断絶 [DVD]

価格: ¥4,935
カテゴリ: DVD
ブランド: キングレコード
Amazon.co.jpで確認
   ジェイムズ・テイラーがザ・ドライバーを演じている。車に夢中のレーサーで、髪はボサボサ、会話を排除する集中力をたたえている。彼はアメリカの田舎の裏通りを旅する。相棒はザ・メカニック(ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソン)。やはり車を扱っている時だけ自分になれる男だ。ザ・ドライバー、ザ・メカニックという呼び名だけで、2人に名前はない。放浪する存在であり、その背景となる生活は一切描かれない。改造した55年型シボレーで次々にレースをこなしながら、終わりのないハイウェイを走る。途中でヒッチハイクしていたガール(ローリー・バード)を乗せる。その存在は、男たちのトンネルのように前以外が見えない状況を打ち破る。饒舌な中年の凄腕レーサーGTO(ウォレン・オーツ)に出会い、国を横断するレースで競うことになる。モンテ・ヘルマン監督の『断絶』は現代アメリカをかつてないほど淡々と浮き彫りにした作品で、道端のダイナーや休憩所のぼんやりとした風景を背にした断絶と執着を描いた抽象的な習作だ。テイラーとウィルソンは適切に無表情な演技を見せている。ただ、ザ・ガールが嫉妬心をかき立てる時に感情を顔に出すだけだ。オーツはしゃべりまくる精力的な人物で、シーンごとに新しい一面を見せる。まるで東海岸と西海岸の間で打ち返されるピンポンを演じようとしているようだ。「スピードはどのくらい出る?」ザ・ドライバーはGTOの車に見とれて尋ねる。「思いのままさ」GTOは答える。ザ・ドライバーは鋭く切り返す。「思いのままに走れることはない」。どれだけスピードをあげて逃れようとしても路から逃れられない男たちなのである。(Sean Axmaker, Amazon.com)
映画に漂う70年代 ★★★★☆
 高校生の頃、深夜の時間帯に、テレビで初めて観たのですが、「バニシングポイント」や「ダーティーメリー」のような作品だと思い期待して観てしまったのが運のつき、車が1台もクラッシュしないことに非常に立腹しました。
 あれから20数年、DVD発売を知り、注文してみました。中年に差し掛かり、見直すと若かりし時の感想とは違い、非常に興味深い作品です。若者2人は、音楽業界では有名な方だそうですが、セリフが少ない分、時代を反映した自然な演技ができている感じがします。唯一の本物の役者と紹介されていたGTOことウォーレンは、ヒッチハイクで同乗する人に、いちいちその場で思いついたホラとおぼしき自慢話を聞かせるうっとうしい人物ですが、なぜか憎めない魅力的な人間を演じています。紅一点の女性は、子供のような表情なのに、女心となんとやらで今観ても何を考えているのか理解不能でした。
 この主要人物の4人のうち、3人(ウォーレン・オーツ、デニス・ウィルソン、ローリー・バード)は、70年代の終わりから80年代前半にかけて、病死、自殺等で亡くなっています。そういう意味でも、この時代にしか作れなかった作品かもしれません。
 映画のクレジットに、55年型シボレーと70年型ポンティアックGTOが、出演者とともに出てきます。登場人物と同じぐらいすてきな出演者でした。
観終わった後に何か重く残る作品 ★★★★★
この作品の主な登場人物は4人だけ。55年型シェビ−のドライバー(ミュージシャンのジェイムズ・テイラー)とメカニック(ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソン)、そしてこの2人の車に潜り込む女(ローリー・バード)とこの2人とレースをするポンティアックGTOの男(ウォーレン・オーツ)。話の中心はシュビーにのるドライバーとメカニックに絡む女が中心だが彼らの会話は最低限に抑えられ、ドライバーとメカニックのストイックともいえる車に対する愛情が彼等の行動で表現される。2人の男(ドライバーとメカニック)と1人の女というシチュエーションは「ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー」と似ているが、それは前半の部分だけで中盤以降は彼等と長距離レースをすることになるGTOの男と3人との会話やGTOの男自身の主張により彼らの目的のない生き様があらわになってくる(GTOの男を演じるウォーレン・オーツの演技なしにはこの作品は語れない)。
ひたすら荒野を走る車とガソリンスタンドでの休息、そしてレース。そんな空虚な時間を費やす4人、そして彼らの生き方が表現する世界は70年代を見事に表しているだけでなく、今観ると現代社会に生きる我々にも疑問を投げかけている感じがし、観終わった後も心に何か重く残るものがある。
モンテ・ヘルマンという監督はこの作品ではじめて知ったが、地味ではあるがなかなか深い作品を作る監督だと痛感し、「銃撃」など他の作品も観てみたいと思った。

それを望む人に。 ★★★★★
 邦題の意味が観終えて分かった。
 台詞のほとんどはウォーレン・オーツ演じるGTOが担う。彼らに主張はなく,カメラもそれを求めていない。冷静に,いや虚無的に撮られたところに本作のよさがある。
 ずっと浸っていたいと思うや突然の幕切れ。彼らの「断絶」をカメラは許してもいないし拒否してもいない。しかし,本作を選んで観る者の目は,おそらくそれを許し,多くはその生き方を望んでいる。