心に響くフレーズが多かった
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住宅ローンが借りやすくなった。
しかし、「ここまで借りることができる」と知れば、「こんな家でも頭金なしで住めるのか」と身の丈に合わない高額な物件にも目がいってしまう。
タイムリーに読んだ本が、気の迷いを断ち切ってくれた。
本の内容をひとことで要約すると、消費で使ってしまう生活のために借金はせずに、金のなる木を買うための借金をしようというもの。
要は、「収入を得るために借金をしましょう」ということ。
あまりにも、心に響くフレーズが多かったので、珍しく3回読み直した。
貨幣と借金の起源の話から、必要以上のお金を借りることは、借金の本質ではないという話に納得。
童話「3匹のこぶた」を題材にした投資リスクとリターンの例え話もおもしろい。
投資のためなら、レンガの家ではなく、わらの家を複数建てるとは、さすが沢さんの発想!
いままで、借金すると個人の与信枠を使う。与信枠の残りが減るので、次第に借りれなくなる。と考えていた。
しかし、本書で沢さんがいっているのは、
借金によってキャッシュフローを大きくする。
↓
キャッシュフローが増えて与信限度額が大きくなる。
↓
さらに借金してキャッシュフローを増やす。
これを繰り返せば、無限に借金を増やすことが可能で、資産を加速的に増やしていける。
というもの。
もちろん、これで大失敗したファンドがいま次々と破綻しているので、目的と身の丈にあった借入額と、リスクコントロールは重要。
非常にわかりやすく、例え話が豊富で、借金を様々な角度から見つめた説明。
今の自分の肝に銘じたい。
不動産投資に1億の借金をする決心ができずにいる方、または、家族をうまく説明できない方、あるいは、銀行が貸してくれる限度額いっぱいでマイホームを買おうとしている方に今すぐこの本をオススメしたい。
この本の対象となる読者は・・・
★★☆☆☆
特に目新しい内容はありません。簡単に言うと消費やギャンブルのための借金は悪い借金で投資をして資産の増加に有効な借金は良い借金です、という内容。著者の場合には不動産投資に利用する借金は良い借金で、そのパワーでお金持ちになろうというもの。この本を読むことでタメになったと思える読者は、消費者金融などで消費財や遊興費のためにお金を借りるような金銭感覚の読者にはタメになる内容です。しかし、金持ち父さん貧乏父さん系の本を読んだことのある読者には不要な本です。著者の前作「お宝不動産で金持ちになる」が非常に内容のある本だっただけに、残念な内容でした。次回作に期待します。
投資の本質を解く普遍のバイブル
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短い簡単な表現にこそ、真理がある。といわれています。この本は正にそれがぴったりの時代と対象を越えた投資の本質を突くバイブルだと思います。以下、具体的な読み所を紹介します!
・沢さんでは有名?!な、コンビニ倒産体験から不動産投資成功までの間の、沢孝史家の家計のお話は本邦初公開で、全国の沢孝史ファンの方々もマル秘?!新情報として必読!
・リスクを自分でコントロールしない(できない)普通の投資は、確率分布曲線に限りなく漸近してゆく。という近代金融工学のノーベル賞理論を、分かり易い一言の言葉で表しているのとは、経済学部ご出身+6億円借金の実体験から導き出された迫力の説得力・真実です。だからレバレッジしかないですよね。と、難しい理論を簡単に、説得力があります!
・難しい数式は一切ぬきで、レバレッジの効果とそのコントロールを新鋭イラストレーター「まるさん」の楽しい漫画と小学生でも分かるたとえ話で、導いていることは画期的!
・投資アドバイス、コンサルなどを「なりわい」となさっておられるプロの方々も、入門者の素人さんに、いかに分かり易く投資をわかってもらうか?というバイブルとして、必読の書!
・「銀行はどんな人に、何を基準に、どうすればお金をかしてくれるのか?」という、投資家誰しもが一番知りたい普遍の原則を実に分かりやすく、惜しげもなく伝授しています。これほど、時代を超えて通用する貴重なエッセンスを公開して頂いても宜しいのでしょうか?!
・沢さんも本の中でおっしゃっておられますが、文系の方にも、投資と借金の本質が体で理解できる本です。不動産投資家で著名な沢さんですが、あらゆる投資(株、コモディティ、為替、貴金属など)を総合的に俯瞰して、借金パワーから見て分かりやすく解説している点は、論理的にも実践的にも非常に説得力があります。沢さんの全著作に流れる普遍のエッセンスを集大成・結晶化した名著!不動産投資家のみならず、あらゆる投資家、経済関係者の皆様!読まない方が損をする本です。