歴史としての重要性
★★★★★
初めは単なる趣味の世界の写真と文章だと思っていた。
とんでもない。
日本の歩んできた近代の歴史そのものだ。
溢れんばかりの情報量と画像。
到底直ぐにはすべてを読み尽くせないほどのテクスト。
民俗学者で、歩く巨人と言われた宮本常一の名著「忘れられた日本人」で語られる、里や里に住む日本人の
世界を「道」という文脈から綴り尽くしているのではないか。もちろん宮本常一も隠れ峠道などを記載しているが、
本書ままさに日本の近代化の中で忘れさられようとしている世界を後世に残すものだ。
よくぞ出版してくれました。
★★★★☆
読みたくて読みたくてしょうがなかった本の一冊。
全国の廃道の臨場感あふれる写真とレポが最高です。行ってみたい!私もそこに立ちたい!と思わせてくれます。明治以降の道路事情の急変ぶりが村の歴史を交えてわかりやすく解説されているところも興味深いです。
ほぼ期待通りの内容ですが、巻頭企画の『スーパー廃道ブラザーズ』はスーパーマリオ風で地図などもゲーム仕立で大変見にくく残念。普通で良かったのに!ということで★4つ。
シリーズとしてみると安心出来るつくりで、しかも面白い。
★★★★☆
最近フリークも多い、廃線・廃道の世界だが、「酷道」シリーズに続いて廃道の本までもがリリースされる様になった。
つくり自体はこれまでの酷道シリーズに準じたもので、これまでの二冊を見慣れた向きには親しみやすいものだ。
また、一部の道を除いて地図も載っているので、手持ちの地図帳で確認してみるとまた面白さが倍増するだろう。
しかし、「廃…」と名の付くものは危険な所が多いので、これから行ってみようという向きはくれぐれも気を付けよう。
廃道を冒険する
★★★★☆
廃線の本は以前見たことがありますが、こちらはあくまでも廃道。しかも鎌倉街道とかじゃなくて、近代の普通の道。私は知りませんでしたが、ネット上にもいろいろあるのですね。
ダムの水面から飛び出している錆びたガードレール、
壊れて谷底に落ちかけている橋、
落ち葉で埋まっている山間のトンネル、
荒波をかぶって崩壊しているかつての基幹道路、
しかも、中にはちゃんとそれなりの歴史があるものも。
日本列島は約70%が山であるうえ、谷や川も多く、周囲を海に囲まれていて、険しい地形が多い。この廃道の数々は、まさにそのような列島における近代日本の一面を物語っているようだ。
いずれにせよ、面白かった。