たとえば手の変形についても、なぜそのように変形するのか？とか、固定姿位についても、なぜその姿位で固定するのか？とかが詳しく書かれています。このあたりを学校の先生に質問してもなかなか納得できるように教えてもらえなくて、臨床実地問題の対策をどうしようかと考えていたところでした。この本で対策すれば自信がつくと思います。

臨床実地問題の詳しい解説書が欲しかった。問題も部位別に分かれているのでよい。特に巻末にあるまとめは期末試験にも使用できるのでよい。

臨床実地問題の解説は，これまでにない丁寧さでビックリします．正解を得るだけなら簡単な問題についても，詳しく解説されているので，応用力が付き，結果的に別の問題も解けるようになると思います．また，最後の方にある付録は，解剖（特に運動系）や疾患の鑑別などがまとめられており，ここだけ覚えても合格点が取れそうなくらいです．さらに，ところどころに，手根骨や神経の覚え方，冠名骨折などもまとめられており，臨床実地問題だけにとどまらない良書と思いました．授業中に疑問に思ったこともこれを見ると書かれていたりします．ただ，残念なのは索引がないので，どこに何が載っているのかを覚えるくらいじっくり読まなければ，参考書としての使い勝手はやや悪い思いますが，本書の利用法に著者が何度も問いてと書かれていますので，この使い勝手の悪いところは著者の作戦かもしれませんね．著者の言う通り，じっくりやれば相当実力を付けることができると思います．