本作のプロデュースとアレンジを手がけているのは、ミドラーのかつての音楽監督であるバリー・マニロウ。マニロウは、1990年代に実際にクルーニーと2曲をデュエットしたことがあり、本作ではデュエット曲「On a Slow Boat to China」で、ビング・クロスビーのパートを歌ってミドラーと共演している。本作のほとんどのナンバーはヒット曲だ。「Hey There」と「White Christmas」はシンプルなスタイルに仕上げられている。また、セクシーにアレンジされた「Sisters」では、リンダ・ロンシュタットが、クルーニーの実の妹ベティーのパートを受け持ってデュエットしている。
ミドラーは、「Come On-A My House」では調子を上げることなく、逆に調子を落としているが(かつてのミドラーなら、この曲のコミカルな面を引き出したはずだ)、幸いにも「Mambo Italiano」では自由気ままに歌っている。この曲では、本作でほとんど唯一、「すてきなミスM」ことベット・ミドラーが、クルーニーのエレガントな仮面の影からこっそり素顔をさらけだしていて、おおいに楽しませてくれる。(Elisabeth Vincentelli, Amazon.com)