70年代初頭のポップなグリーン
★★★★☆
録音:71年5月21日、G:Grant Green、E.P:Emanuel Riggins、E.B:Chuck Rainey、Vib:Billy Wooten、Dr:Idris Muhammedなど。
95年に東芝EMIが初CD化して以来の再発だと思います。1曲目はシカゴ、クインシーの2曲目、カーペンターズの6曲目、ジャクソン5の7曲目など当時のヒット曲を並べた構成です。演奏は8ビート中心でどれも短めですが、グリーンのプレイは好調で、ポップな内容ながらアコースティックな4ビート時代を思い起こさせる場面も随所にあり、結構聴き応えがあります。
レア・グルーブ云々以前の昔からわりと知られてたアルバムですが、あまり扱いはよくないですね。時期的には70年の「Green Is Beautiful」「Alive!」、72年の「Live at The Lighthouse」の頃。同じ71年なら「Live at Club Mozambique」が出てますが、こうしたテンション高めのファンク路線に比べると、ポップで軽めの内容なのが原因かもしれません。しかし、当時のヒット曲を題材に4ビートも交えながら生き生きとしたプレイが聞けて、これだけ気軽に楽しく聴けるグリーンのアルバムもないと思います。同時期には「Shades of Green」もありますが、こちらの方が聴きどころは多いです。
バックも小気味良く、この辺のミュージシャンが好きなら買って損はないでしょう。特にチャック・レイニーのゴム毬が弾むようなプレイが楽しいです。3曲目のモーツァルトはギャグですね。