百聞は一見に聴かず?
★★★★★
これは聴かぬが損、というか少しでも関心があるなら是非聴いてほしい作品群。冒頭アイドルフォーの「お尻の歌だもんね」からして底抜けの能天気さが絶好調のコミックソング。同グループの2曲目は意外にも真面目なムード歌謡。
続く小鹿敦の「特急ポッポ」はアップテンポの傑作。さすが名バイプレイヤー、地方訛りも板についている。これがのちの小鹿番、実に貴重な音源。意外にも渋い喉を聴かせるのが黒沢年男「送らないぜ」「おふくろのうた」。田中邦衛の「ひとりぼっちの君よ」はフォーク調の楽曲ながら、ヒューマニズムあふれる詞が人生を語る傑作。
陣野命「高校悪名伝」は、まさに「不良番長ここにあり」といった感じの気合の入った熱いヴォーカルが聴くものの魂を揺さぶる強烈な1曲。19曲目〜ラストにかけて宝ジェンヌ関連の音源が続くがこれも素晴らしい出来栄え。ヴァラエティに富んだ面白さという意味で十二分に楽しめること請け合いの、これぞ歌謡曲番外地ファン必聴のアイテムである。