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RANK

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: ポプラ社
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監視 ★★★★★
現代を思う。町中に氾濫する監視カメラ。
個人情報のデータベース。
これらが融合したらと考えるのは飛躍ではない。
そこを懇切丁寧に世界を作るところからはじめて
男たちの闘いまで書ききっている。
スペースなSFとは違うけど近未来ものとしてよくできている。
読み応えあって満足。
バディもの? ★★★★★
二人一組の執行官。
師弟のようなコンビと悪ガキ仲間のような二人。
悪ガキと言っても人を処分する権限を持った彼らの度は
そんじょそこいらの中高生とはわけがちがう。
その描写は少々ド派手。
それを補って余りあるのが近未来のランク世界の世界観。
日常の延長線上にあるフィクションやファンタジーが好きだということもあり
とてもよかった。
読み応えも充分。
単細胞な作品 ★☆☆☆☆
注目作家の初長編小説という宣伝文句で手を出したことが、期待外れの失望感となり読み進める毎に大きくなった。
監査調整局によって月毎に「一般州民圏外」に順位付けされた下位州民は、執行該当者として処分される社会を舞台に、執行される州民と執行する者を描いている。
この本が中途半端で安直なのが、凄惨な暴行をする執行官として佐伯と篠田というキャラクターを置いているが、女に欲情している篠田を付けているだけで凄惨に至っていない。
そのあたり新堂冬樹著『溝鼠』が完全に変態の極致を描いていたし、理不尽な世界として梁石日著『闇の子供たち』 を思い出し、比較してしまうくらいこの本はアニメの原作本みたいで戦慄する世界となっていない。
社会の構造を解説として挿入し過ぎて小説としては、作品自体を分断してしまっている。
正義VS悪役の構造が単純なのと、作者自ら「戦慄」の語彙を乱用しているため、読者が状況を読むことで戦慄を感じる読書の醍醐味が生まれない。
この程度の作品で特別賞を受賞させていると、ポプラ社小説大賞の存続は危うい文学賞になるとも思った。
激しいエンタメ。 ★★★★☆
いわゆるディストピアものを書いている。徹底した管理社会という設定には
過去に傑作が多く、(ジョージ・オーウェルの『1984』とか、伊坂幸太郎の
『ゴールデン・スランバー』もそうだ)
その点では新味は感じられない。SF的なディテールも上滑りな感が否めない。

生硬だが感情を掻き立てられる部分と、勢いだけで書いているような粗削りすぎる部分
が入れ替わり立ち替わりあらわれて、結構疲れる。本を閉じたときに、完成された
エンターテイメントに触れているというあの感覚をおぼえる作品ではない。
しかし、印象的な人物や各エピソードにいちいち光るものを感じさせる、この著者の傾向
はこの作でも表出している。中盤からの怒濤の展開は、火傷しそうに刺激的である。
著者のページターナーであろうとする気概を感じるし、文体の硬質さ、圧力には細部の粗を
気にさせない迫力があって、読書ならではの面白さは十二分に味わえた。

この著者はこのまま独自のエンタメを突き進めば、そのうちポンと化ける気がする。
次はあらかじめヒットした作品を読むつもりだ。
レビューは作品単体の評価とすべきだろうが、著者のとんでもないデビュー経歴を
踏まえて☆はひとつオマケした。




圧倒的 ★★★★★
特別執行官の佐伯が巨椋と相対する、中盤の流れるようなクライマックス。
それはもちろん、さらっと流れてしまうと言うことではない。
それどころか、1行進むごとにぐいぐいと感情を引き摺り込まれ、明らかに読む速度が上がっていく。
登場人物のリアルな感情に同期するように高揚を覚える。
対照的にじっくりと書き込まれた世界観のディテールは、読み解くほどに実に綿密に構成されていることに気づく。
初めて書いた長編とあることに驚かされる。