大好きだからこそ、こう書かねばならない
★★★☆☆
おそらく、制作者側は本作をオリジナル・アルバムほどの重さのあるものとは位置付けていないのだろう。ファン・サーヴィス、ライヴ活動の記録、または本人達の楽しみ、のような動機でのリリースに見える。そういうフットワークの軽さが良くも悪くも出ているように感じる。
演奏している2人の楽しさが伝わってくる音源である。ギターを抱えて何処へでも歌いに行けるよ、という風通しの良さがいい。友部正人サイドのリスナーから見れば、作詞=友部、作曲=三宅という共作曲で過去の友部名義のCDには入っていない楽曲が4曲収録されていてソングブックとしても嬉しいところだ。
但し、ライヴ録音ゆえの粗さが有りすぎるほど有る。そもそも友部正人は決して“上手”なシンガーではないので予想通りだとしても、三宅伸治はもう少し上手というか器用なたちだと思っていた。冷静な判断として、この2人でハモるのは諦めるべきだったのではないか。全部でどのくらいの素材を録音した中から選んだ12曲なのか判らないが、もっと良いテイクは無かったのかという疑問を抱かざるを得ないものも混ざっている。1曲を除いて2009年8月17日録音ということだが、どうせ編集はしてあるわけだし、もっといろんな日から厳選すればよかったのに。
ベスト・テイクは「雨の降る日には」。一方で「LIKE A ROLLING STONE」の日本語訳カヴァーはちょっと安直だと思った。
ライブ・ア・ローリンストーン!
★★★★★
ライブ版で『地球の一番はげた場所』が聴けたのがよかった。最後にディランの『ライク・ア・ローリングストーン』があるけど、ほぼ直訳の日本語で友部らしい曲。まだライブに行ったことがないので、一度入ってみたいと思わせるアルバムです。
ロックンロール
★★★★★
友部正人と三宅伸治。
フォーク、ブルーズ、ソウル…色々なフィルターを通して鳴らされるロックンロール。
素晴らしいの一言です。
だてに毎日のように全国各所でライヴをしている二人ではありません。
大量消費されていく音楽とは違い、芯に響くなにかがあります。
言葉には説得力があり、ギターの音もグッときます。
ライヴ盤であることも、二人の間にある空気感を如実に伝えてくれます。
優しく強烈に心に響くロックンロールです。
あと、ドラムはリズムボックスですが、余計な人を加えないことでこの二人の純度を高めている効果があるのかもしれません。
でも、もし生ドラムだったらどんな感じになるのか…と思ってしまうのも事実ですが、、、それでも星5つです。