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欧米推理小説翻訳史 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集〈72〉)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 双葉社
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蒐集欲をそそる旧カナ時代の翻訳ミステリ ★★★★☆
雑誌『幻影城』主宰島崎博氏に続く古書収集家である著者が、日本における探偵小説翻訳の歴史を海外作家別に紐解いてゆく同名の連載を90年代に1冊に纏めたものの初文庫化。紙面を飾る数々の貴重なミステリ本の書影は、その筋の人にはたまらないものがあるだろう。戦前期日本探偵小説家への影響もキッチリ触れているので、洋モノを読まない人でも充分楽しめる。目次は次のとおり。

■クリスティー
■ヴァン・ダイン
■マッカレー
■フリーマン
■ルルー
■クロフツ
■フランス推理小説の怪人たち
■フレッチャー
■マシャール
■草創期の短編作家たち
■ルブラン
■ウォーレス
■ドイツ文化圏の作家たち
■カー
■チェスタトン

双葉文庫「日本推理作家協会賞受賞作全集」初期のカバーは均一のデザインで何とも面白みがなかったが最近は個別になり、本書も文庫用に新しくエドガー・ウォーレス『黄水仙事件』書影を使用してなかなか良い。せっかくの再発だから単行本時未収録分の作家をボーナストラックにしなかったのは惜しまれる。そのあたりは著者もあとがきで述べていて、続編の可能性を匂わせているので楽しみに待ちたい。