夜寝る前に聴く子守歌のような心地よさ
★★★★☆
このALBUMは、彼女のメジャーデビュー作。
メジャーでのデビュー作でありながら、
ある意味彼女の持味の声から絞り込まれた「温かさ」「くつろぎ」という、
コンセプトを持って制作された作品である。
日本でのメジャーデビューで、その思い切った作品づくりは、
彼女の歌に底知れぬが力を秘めていることを知っている、
スタッフの自信の現れではないだろうか?と思う。
しかしながら伴奏サウンドは、コンセプトのイメージの所為もあるのだろうが
アレンジを含めて、全体的におとなしく、少々あじけなさ物足りなさを感じる。
彼女は本国韓国ではロック、ブルースも歌いこなすシンガーとして
大舞台に幾度と立ち、既にステージングは圧巻である。
夭折のシンガー「ビリー・ホリディ」の歌声に魅せられた彼女は、
10年以上ジャズへフィールドを広げている、アーティスト。
このALBUMの温かい、母のような優しい響きを聴き、LIVEでの彼女を観たとき、
その先入観は、すぐさま崩れ去ることだろう。
彼女の漂わせる不思議な世界観に取り込まれることになる…
果てしない可能性を感じるシンガーの登場だ。