インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

学校から言論の自由がなくなる―ある都立高校長の「反乱」 (岩波ブックレット)

価格: ¥518
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
たった一人でも立ち上がらねば! ★★★★☆
 著者・都立三鷹高校の元校長土肥氏による、職員会議での教職員の挙手・採決禁止をはじめとする都教委との闘いを前半で、後半では他著者らとの公開シンポジウムを採録している。

 日の丸・君が代の過度の強制や処罰等を都教委は真っ先に行い、それが全国へと広がっている。
 そのような管理体制が進む中、教員は92万人中5千人(2007年)が心の病で休職している。
 だが現場の長は教委のロボットとなり、上意下達を繰り返すだけだ。
 工場であってもこのような厳しい管理体制は許容し難いが、学校での相手は子どもであり、結果的にはそのようなもの言えぬクウキを子どもにも強要する事になろう。
 と考えれば、校長も教育者である以上、子どもの盾となって不当な弾圧には抵抗せねばならず、土肥氏の後に多くの校長が続いて欲しいと思う。

 土肥氏は今年の定年退職後、殆ど落ちる人のいない非常勤講師としての再雇用試験を不合格とされ、都教委と法廷闘争中である。
 また闘うだけの人でなく、4年間在籍後の三鷹高での離任式で、同年の卒業生から卒業証書を貰う程生徒には慕われており、その中には「都教委の弾圧にも負けず」の文言がしっかりと書かれてあった。
校長と支援者の勇気に惜しみない拍手を! ★★★★★
現役の東京都立高校の校長先生が、石原慎太郎下の東京都教育委員会の集合知弾圧/大声での脅迫に、静かな表現で異議を申し立てています。当然、不法な嫌がらせや暴力が振ってかかるでしょうから、彼やその支援者(その高校の多くの生徒/保護者など)の勇気には、最大の賛辞をお送りします。もちろん、岩波書店にも!

薄いブックレットですが、小生に印象に残った点は以下のとおり。
・東京都教育委員の米長邦雄氏(将棋指し)は、2004年の園遊会で天皇に「学校で国旗を掲げ、国家を斉唱させることが私の仕事でございます」と言ったところ、天皇は「強制でないことが望ましいですね」と答えた。
・06年9月、東京地裁は東京都教育委員会の「国歌斉唱の際、教職員は国旗に向かって起立しなければならない」等とした「10.23通達」を「思想・良心の自由を保証した憲法に違反する」という判決を下し、「教職員は、国旗に向かって起立し、国歌斉唱する義務はない」とした。
・制度上日本は選挙で首長や議員を選ぶ。教育の現場に自由や活気を許さないのは都民/国民の落ち度。

 戦前も選挙制はあった訳ですが、戦後は国民主権となってます。もちろん、市民革命を1度も成功させていない、ムラ社会/大勢順応主義の「私」社会:日本の風土が作った制度ではないので、本音と建前がかけ離れています。ただし、変化が激しく、創意工夫や対話で新しいソリューションを生み出していくことが正統と思われる現代において、教育も当局に都合の良い奴隷を生み出すのが主目的のままでは、日本の風土を支配する神様以外は誰も幸せになれない社会が続いてしまいます。

 これは文科省や教育委員会の責任ではなく、国民の責任です。今の日本の普通の学校に子供達を通わせて、しかも改善を考えていないサルのような親達に、“Yes, We Can!"という人間らしいマインドを理解して貰うにはどうしたらいいのでしょうか?