まず、日本産哺乳類を完全網羅していること。過去に、誤って日本近海に流されてきたことしかないホッキョクグマまで掲載されています。そして、トドなどの鰭足類や、鯨類も掲載されており、哺乳類についてはコンプリートです。
次に、足跡(とくに雪上の足跡)や糞などフィールドサインについての写真がしっかり載っていること。したがって、現物に出会えなくても、フィールドサインだけで動物を知ることも可能な本になっています。
そして、北海道と西南諸島など特殊な地域をわけてあること。したがって、本州などで使うときに、北海道産の哺乳類が邪魔になりません。これは、使ってみると結構心憎い気配りです。
解説も適切な分量で、こういう図鑑はいままでなかったのではないかと思います。
同種の図鑑と比べると、価格もふくめお手軽なことと、読み物としても楽しめ、装丁もしっかりしていてお買い得かも。