男にとって前立腺とはなにかを考えさせる本。
★★★★★
スタートから、たいへん面白かった。饒舌で、前立腺の役割を、著者は薀蓄をたっぷり披露してくれる。サービス精神満点。
しかし、読者の大半は、前立腺に対して何らかの苦労をしており、その具体策を知りたいと思っている人である。前半は面白いが、具体的な話になると、章立てもハッキリせず、素人にはちょっと飛びすぎている。前立腺一般の話しを知りたければこの本は有意義であるが、病に関しては、ちょっと玄人向けでわかりにくい。
排尿とはなにかを知るには、これほどわかりやすく絵入りで説明している本はない。著者に敬意。
前立腺3大疾病の内、前立腺肥大症の書。
★★★☆☆
本書の特色は前立腺肥大症の説明は良いが、前立腺がんについての説明が非常に少ない点であろう。前立腺とは何か、前立腺肥大症の症状はどういうものかの説明に紙面を多く割いており、それ自体はわかりやすい。しかしながら前立腺肥大症の治療法が約50ページは良しとしても、前立腺がんの検査や治療に至っては34ページしか書かれていない。全228ページの書としては非常にバランスが悪い。要は前立腺についての前置きや、症状に関する説明が冗長になり過ぎている。これならば本書のプロローグにあるQ&A、8ページの方がむしろ有意義であり、このQ&Aで紙面を多く割いた方が良かったと感ずる。重要であるはずの針生検についても記述は8行ほどにすぎない。最も興味がある小線源療法は10数行、重粒子線治療は3行のみの記述であり、非常に残念であり、拍子抜けであった。要は全摘手術になれば、著者が開発した会陰式前立腺摘除術が手術時間が短く出血量も抑えられ、非常に良い治療成績であると言いたいのだろう。私としては「よくわかる前立腺の病気」(岩波アクティブ新書)の内容の方がバランスが良いと思う。
気になることがあったら本書を読む前にまず受診だな
★★★★☆
別に私は、
前立腺肥大と言うわけでも、
夜間頻尿だったり、
残尿感があったり、
おしっこの切れが悪かったり、
出し切るのに時間がかかったり、
するわけでもない。
でも、なんでこの本を読んだかと言うと、
病棟で看護師として働いていて、排尿や前立腺に問題を抱えた年配の男性はほんとに多いな、と思ったからだ。
前立腺肥大症の罹患率は、50代で50パーセント
60代で60パーセント、
70代で70パーセント、
なのだということ。
ほんと多い。
私も、そのうちおしっこが出にくくなることは覚悟しなくてはならないな、と思った。
それから、前立腺癌にかかる人も増えているようで、
気になる症状があったら、もしくは、症状がなくても、ある程度の年齢になったら、
診察してもらったほうが良いらしい。
前立腺やおしっこのことに関しては、簡単な検査でわかることが多いのだ。