詳しい内容、ただし読みにくい・・
★★★☆☆
タイトルの通り、陸軍独特の発想や兵器運用の思想が実際の兵器開発にどう反映していったかが詳細に述べられている。“甲、乙、丙三種の試作機の成績はそれぞれどうでこういった設計変更の後に・・”などいたって詳しい。また、戦争末期には試作・試験が如何に簡略化されていったかや、要求仕様が性能より部品調達の容易さに偏っていった様子が引用資料の端々から明らかになる。
ただ、全体を通して読むのは非常に根気が要った。事実の羅列が多く、その兵器がどのような運命を辿りどのように評価されたか・・などの記述が少なく、性能に関わる無味乾燥な数字から自分で意味を読み取っていかねばならない。よほど「兵器が好き」な人でないと、読むのが疲れるのでは。