もちろん入門書ですから、初心者向けのアドバイスは豊富です。前半は主としてイヌとかネコ(それにウサギとかハムスターでもいいらしい!)などの小動物によるアニマルセラピー、そして後半では、ウマによる本格的な乗馬セラピーのやり方が紹介されています。
アニマルセラピーの実践家ならではの、目からウロコのいろいろなアドバイスがあります。しかしそれだけでなく、アニマルセラピーの理論的な裏付けを求めていることが本書の特色の一つです。この本では、例えば感覚統合とか!、ムーブメント教育といった障害児教育の理論にも、アニマルセラピーを通じて出会えます。著者のしっかりしたバックグラウンドを示すとともに、この本をたしかな教育と療育の入門書にもしています。
しかし何といっても本書の魅力は、ヒトと動物の相互の癒し=アニマルセラピーを目指す著者の熱気が伝わってくることです。それは、本書を実際に手にとってみなければ分かりません。アニマルセラピーの実践写真も多く、それだけでも楽しめます。巻末には、用語の解説や連絡先などの資料もあって、たいへん便利です。