いずれにせよ、日本は輸入精神医学と同様、輸入福祉学、輸入社会学という主体性のない学問を展開してきたのではないか。
著者らの主張する論について、そういう社会が実現できるに越したことはないが、自己決定には重い自己責任が伴うという実は厳しい論理を内包する諸刃の剣だという認識がどこまであるのか不安になった。
あと、女性を女性とカテゴライズして弱者として扱うことには深重であるべき。
男性開放運動に触れられてないことも残念である。
男性の自殺率は日本では女性の3倍、世界各国どの国でも、男性が女性の数倍自殺していることが何を意味しているか今一度著者らには考えてほしい。男性も実は弱く脆くはかない性であるのだから。