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後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

価格: ¥583
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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心が弱っているときに勇気がわく一冊 ★★★★★
自分の生き方が正しいのか、
人生が思うように進んでないと感じたとき、この書に出逢って勇気がわいた。

勇ましい高尚な生涯とは、何か
人の嫌がることこそ進んでやること
人としての進む道が拓かれた思いがした。
もっと若いときに読めば良かった。 ★★★★★
先日、中村哲さんの本を読んでいて、この書籍を知りました。
内村鑑三という名前だけは知っていたのですが、こんな素晴らしい人生の教本は無いというぐらい
感動しました。ページ数も少なく、いつでも手許において、何度も読みたくなる内容で判りやすく
小学生から、高齢者の方まで必ず読んでほしい書籍です。もっと若いときに読んでいれば、今と違った
人生が送れたんじゃないかと思いましたが、この年令でこその受け止め方もあるので、年齢に関係なく
沢山の方に読んでほしいと思います。又「デンマルク国の話」も「後世への最大遺物」同様大変良かったです。
結果としての社会的価値のススメ ★★★★☆
〜名著のエッセンスを読むだけで〜
読書ブログ書いてます。http://yuuya1986.blog28.fc2.com/

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はたして、我々は後世になにを遺すことができるのか。

この問題に対して正面から取り組んだ名著。

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【書名】後世への最大遺物・デンマルク国の話 著者:内村鑑三



点数★★★★
難度★★★

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【あらすじ】(解説 鈴木俊郎)

普通の人間にとって実践可能な人生の真の生き方とは何か.我々は後世に何を遺してゆけるのか.明治二十七年の夏期学校における講演『後世への最大遺物』は,人生最大のこの根本問題について熱っぽく語りかける,「何人にも遺し得る最大遺物――それは高尚なる生涯である」と.『デンマルク国の話』を併収


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【目次】(★はおすすめ)

第一回 ★
第二回 ★
デンマルク国の話

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【要約】

我々は後世に対して何を遺すことができるのであろうか?

まず第一に「金」である。
富と言うものを一つにまとめてそれを後世の人が実用に用いることができるように貯めていくという希望があるのならば、金を遺すことは素晴らしいことだ。
しかし金を貯める力と使う力は別のものである故に、危険もはらんでいる。

第二に「事業」である。
金を生み出す才能がない人であっても、事業を遺すことによって間接的にではあっても金を遺すことができる。
その典型的な例は土木事業であり、一つの土木事業を遺すことは、永遠の喜びと富を後世に遺すものである。

第三に「思想」である
もし世の中において自分が実行できないとしても、その精神を遺すことによって誰かに後を継いでもらうことができる。
たとえばジョン・ロックの人間知性論をきっかけにして2800万人の国民が決起し、フランス革命が起こった。

しかし、上記3つは誰にでも行えるものではない、一長一短である、という2つの点から後世のための最大遺物ではない。
誰にでも行え、また、利益ばかりあって害のない最大遺物とは「勇ましい高尚なる生涯」である。

事業ではなく生涯を遺すことによって、誰しもが誰かを動かすことができる。
われわれをして世の中になにも遺すことがなかったとしても、真面目なる生涯を送ったということを後世の人に残したい。

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【レビュー】

各個人が「勇ましい高尚なる生涯を送る」ことこそが後世に対する最大遺物であるという結論。
これはもちろんそれ自体が目的になるということではなく、それが結果として上記の「金・事業・思想」を遺すことにつながっていくという。
「自分で自分に胸を張り続ける」ってのを目標に置いている自分としては共感出来る部分も多かった。

ここで言われる「生涯」を送ることによって、社会的価値なんてもんは結果的に生まれる。
たとえば社会起業とかそんな言葉が一人歩きしている印象を受けるんだけど、まずは人生に対して真摯に取り組むことこそが大事なんじゃないか。

成果を追い求めすぎた結果、そこには生じるのは空虚なもの。
もちろんこれは結果軽視なんていう話ではなく、そこにいかに熱量をかけて達成したのかが大事だってこと。
「デンマルク国の話」が凄い ★★★★★
書の後半に収録された「デンマルク国の話」について。

きわめて短い講演録だ。
内村鑑三はこの薄い書を日清、日露の戦争の勝利に日本が沸いている時期に書いた。
デンマークが1864年の戦争に敗れプロシヤとオーストリアにシュレスイッヒ・ホルスタインの2州を割譲された後、ユグノー党出身のダルガスという男が、残されれた不毛の地といわれた領土に樅の木を植え国土を豊かにしていった偉業について触れている。
デンマークの成り立ちがそういうことであったかと思わせる点でも参考になったが、この書の凄みはむしろ後半にこそある。

内村はこう記す。

「・・・国は戦争に負けても滅びません。実に戦争に勝って滅びた国は歴史上けっして少なくないのであります。国の興亡は戦争の勝敗によりません、その民の平素の修養によります。善き宗教、善き道徳、善き精神ありて国は戦争に負けても衰えません。否、その正反対が事実であります。牢固たる精神ありて戦敗はかえって善き刺激となりて不幸の民を興します。デンマークは実にその善き実例であります。」

この文章は第2次大戦後の日本人が書いたものではない。
日清日露の勝利に躍り上がる日本にもこんな人間がいたのである。
勝っている時に負けたときのことを考え、負けたときに勝ったときのことを考える歴史観。
その慧眼の基本には明治人の傑出した教養があったと思う。
本書を読めば書物もメンターになりうるということが理解できるかもしれない ★★★★☆
これは政治家という夢破れた知人が先日薦めてくれた一冊です。

内村鑑三は、キリスト教思想家・文学者・伝道者・聖書学者であり、福音主義信仰に基づく日本独自のいわゆる無教会主義を唱えた人物です。著書としては『代表的日本人』が有名です。


本書は明治27年夏期学校における講演録であり、
「普通の人間にとって実践可能な人生の真の生き方とは何か」という深いある意味哲学的な問いをもって、いかに生きるべきかを熱っぽく説いています。

そして内村氏は「われわれは後世に何を遺していけるのか」というさらなる問いを突きつけます。

これには内村氏に一つの結論があります。

「われわれは何をこの世に遺して逝こうか。金か。事業か。思想か。…何人にも遺し得る最大遺物―それは高尚なる生涯である」。


後世のためになるようなお金や事業や思想は、残すことがなかなか難しいですが、「勇ましい高尚なる生涯」であれば、誰にでも残せることができると書かれています。
要は人のためでも自分ためでも、全力で困難に立ち向かい生き抜いた様は、後世のためになると同氏はいいたいのでしょう。


周りにメンター(師)がいないと嘆かれている方は、本書を読めば書物もメンターになりうるということが理解できるかもしれません。