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月の扉 (光文社文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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石持浅海の第二長編 ★★★★☆

ハイジャックされた旅客機のトイレで起きた殺人事件。
極限状況のなかで、なぜ犯人は殺人を犯したのか……?



事件の背景にあるオカルト思想は、あくまで本格ミステリを成立させるための設定に
過ぎないのですから、真に受ける必要はないですし、そうした特異な思想の持ち主で
あることを前提にすれば、ハイジャック犯たちの言動に矛盾はありません。

本作では、自分たちなりの論理を貫徹しようとする生真面目なハイジャック犯たちとは
裏腹な、論理的一貫性など歯牙にもかけない被害者の振る舞いが不可能犯罪を生じ
せしめたといえます。


その不可能犯罪は、実体的なトリックと突発的なアクシデントが複合して生じたもので、
シンプルながらよくできています。しかし、やはりホワイダニット、つまり動機探しのほう
が主眼といえるでしょう。

その動機は、一般人にはとても共感できない代物ですが、犯人の
内的論理では、一切矛盾がなく、首尾一貫しているのが秀逸です。


そして、殺人の真相が明らかになった後、もうひと波乱あり、ハイジャック事件に
隠された狙いがあったことが判明するのですが、そこにおいても、歪ながら首尾
一貫したホワイダニットを展開しているのが素晴らしいです。




この人たちはバカなの? ★★☆☆☆
ハイジャックされた飛行機の中で殺人事件が発生する。ハイ
ジャック犯は乗客の一人「座間味くん」を探偵に仕立てて謎を
解明しようとする・・・のだけど。

序盤で犯人の想像は容易についてしまう。だけど、登場人物
たちはその可能性を全く無視して、あーでもない、こーでもない
と議論を繰り返す。これが延々と終盤まで続く。
この人たちはバカなの?
いい加減読んでいてイラついた。

舞台となる航空機に関する作者の知識にも疑問がある。滑走
路上で飛行機のエンジンを切ったら電力の供給が止まって機
内は真っ暗になるはずなのだが。沖縄の空港には滑走路上に
外部から電源を供給できる設備があるのだろうか。

「師匠」と呼ばれる人物やハイジャック犯の動機には現実感が
感じられない。一歩間違えばファンタジーになってしまう所であ
る。「座間味くん」のキャラクターなど面白い部分はあるのだが、
作品全体から熟成不足という印象を受けた。
謎のための「奇跡」 ★★★☆☆
ハイジャックされた飛行機。しかしそのトイレで殺人が起きます。
ある事情により、ハイジャックを中止することは絶対にできない犯人達。
乗客としてたまたま居合わせた青年、通称「座間味くん」は、
変なTシャツを着てたせい…ではなく、そのシャープな頭脳に目をつけられ、
ハイジャック犯達に、殺人の真相を解き明かすように指名されます。
閉ざされた飛行機の中、彼はハイジャック犯と共に(!)殺人の謎をディスカッションします。

犯人捜し自体は、非常に面白いです。
解決に至るまでの展開も引っ張るのが上手いし、何よりロジックそのものがよくできています。
これは手放せない本になるかもしれない。素晴らしい。そう思いました。ラストを読むまでは。

事件のベースには、「奇跡」の存在があります。
そのどちらも曖昧なままに、ともすればファンタジーとも読める形で終わっているのが非常に惜しいです。
謎だけのミステリーとしては面白くても、話を読む小説としては価値が下がってしまったと思います。
ただそこだけがロジカルではなく、それ故に、「奇跡」とは謎のための装置だったのか…とがっかりしました。
それならば、他の沢山あるミステリーと一緒ですから。
「奇跡」が腑に落ちる形でスッキリと終わっていれば、ミステリーとしても小説としても素晴らしい作品だと思うのですが。

「奇跡」を描かないのであれば、「師匠」がただのペテン師だったとか、無理にでも現実的なオチを付けて欲しかったです。
奇跡がなんかなあ・・・ ★★☆☆☆
よく漫画や小説である20xx年○月○日奇跡が起こる!みたいなやつで、その奇跡が今ひとつだったら全部駄目だと思うんです。
だから、期待するとつかまされた気分になります。
う〜ん ★☆☆☆☆
扉は閉ざされたまま、アイルランドの薔薇、水の迷宮を経て本作に。
最初に感じた違和感、それは…また狭い空間が舞台?というところ。なぜか著者は狭い、限られた空間での話を書きたがる。

そして何より納得がいかなかったのは、ラストシーン。
結局、著者の精神論を聞かされただけのような気持ちになり、非常に時間を無駄にした気がした。

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