ロック小僧3人による、魂の叫び!
★★★★★
もっとも楽しんでいるのは、ブライアン・メイではなかろうか。バッド・カンパニーの「キャント・ゲット・イナフ」やフリーの「オール・ライト・ナウ」は、単純なギター・リフを基調とするロックのスタンダード・ナンバーだ。ブライアンのギターがより映える。彼のギター音は相変わらず華やか。これだけエフェクター類を使うと、ハウリングを起こしたり、会場内で音が回ったりするものだが、彼の「音作り」は絶妙なので、まったくそういう弊害を生じていない。この二曲ではソロも弾きまくっており、ブライアンは本当に楽しんでいる。リフのカッティングやミュートのタイミングも完璧だ。やはりブライアン・メイは素晴らしい。彼のきざむリフに乗せられて、ポール・ロジャースも、相変わらず“王者のように”歌いまくっている。「キャント・ゲット・イナフ」では、ロジャー・テイラーの叩き出すシャッフルのリズムも安定感抜群で、まるで“エビが飛び跳ねている”ようだ。この一曲を聴けるだけでも充分に価値がある。ロック小僧三名が、心底“音”を“楽”しんでいる名盤でした。できるだけ多くの人に聴いてもらいたい。
ポール・ファンの感想:初期バッド・カンパニーのかっこよさを彷彿とさせる力作
★★★★★
ディスク1は遂に実現したQ+PRの全曲新曲のスタジオ録音作。ポール・ロジャース、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー3人だけによる演奏。ヴォーカリストというバンドの顔がポール・ロジャースだから彼の印象が強く、彼風の曲が多いと感じられるが、3人の個性が融合した新しいバンド(それをクイーン第2期と呼ぼうがQ+PRと呼ぼうが構わない)がフレディ時代のクイーンの曲を離れて新たに始動したと捉えるべきだ。全く衰えを知らないポールの声の力強さ、艶やかさは本作でも絶好調。私のような中年ロック・ファンにとっては、まるで70年代の初期バッド・カンパニーのかっこよさを彷彿とさせる力作であることに感激。ポールの場合、ギタリスト及びリズム陣が彼のヴォーカルと拮抗する腕の持ち主であれば、作品の質が一層高まるが、そういう観点からはブライアン・メイ及びロジャー・テイラーと組んだのは成功だと思う。クィーン・ファンもフレディ時代のクイーンのおもかげがないと嘆く必要はない。ブライアン、ロジャーの演奏(特にギターの音色)やコーラスにクイーンの持ち味は残っている。M12のように、ポールがヴォーカルで入るのは後半だけで、旧クイーンの香が強い曲もある。天国のフレディも彼の仲間がクイーンの衣鉢をつぐことに目くじらをたてることはないだろう。ディスク1では、この1曲、というべきM6のウィ・ビリーヴが私にとって最高の曲だ。
ディスク2は既発売のDVDからのハイライトであり、私のように同DVDを持っている者は通常盤を買えばよかったかもしれないが、ディスク1と続けて聴くと改めてQ+PRのライヴの素晴らしさを再確認できるので、やはり価値がある。
大人なROCK
★★★★☆
確かにQUEENと名前が付くとQUEENファンとしては期待するけど、フレディもジョンも居ないQUEENはQUEENじゃない。でも、ベテラン3人の作ったアルバム素晴らしいの一言。ポールよりの楽曲は他の2人がポールの上手さを知っている証拠。安心して癒される1枚。
できれば別の名前で・・・
★★★☆☆
新作の出来はさすがのキャリアの3人が集まっただけあって悪かろうはずはないです。ただやはりポールのブルース色が強いのでクイーンという名前を使うのはうーん・・・という気がしてしまう。筆者は今回のユニットでの活動を喜んでいる派ではありますがボーカル云々以前に曲調がもう過去のクイーンを振り切ったものになっているので新しいグループ名で活動してみても良かったのでは・・・と思います。
まさに温故知新!
★★★★☆
遂に発売されたQ+PRのアルバム。
多くの方が、過去のクイーンの作品と比較するだろう。
嘗てのクイーンらしさを直接感じるのは♪Say It's Not Trueのみで、メロディはかなりポール色が強く
ここまでポール寄りの作品になるとは!と最初に聴いた時は思ったし、
クイーンの良さの一つである覚え易いメロディのある曲が、もう少し欲しかったが、
何度も聴いているとクイーンの持つ緻密さが全体を覆い尽くす様に織り込まれているのに気が付いた。
楽曲と演奏の質は、並じゃないキャリアの2組なので全く問題ない!
ジャムを重ねて作り上げられた感のある楽曲は、骨太だが繊細さも感じる良質なブリティッシュロックに仕上がっている。
ブライアンのギターも嘗て無くブルージーだ。
還暦前後の3人が、ココに来て敢えて新機軸を出した事に拍手を送りたい!
Disc2は、即発のDVD『スーパーライヴ〜』から約半分が音源のみ収められている。
Q+PRのライヴ音源は、ツアー前半の英国公演の『リターンオブ〜』も出ているが、
公演を重ねた後のこの日本公演は、より円熟味のました演奏が聴けるので
DVDをお持ちでない方には、新譜と共に聴けてお得!かもしれない。