アニメを彩る珠玉の曲たち
★★★★★
私はこの「君が望む永遠」というアニメを見てとても感動を覚えた。原作のゲームは一度もやったことはないのだが、このアニメからは単なる恋愛や純愛以上の愛、悲しみ、痛み、優しさといった人間の心理を深く探った作品であると感じた。その劇的なストーリーも素晴らしいが、それ以上にグラフィック、音楽がストーリーと見事にマッチしてストーリーをいっそう感動的なものとしている。例えば、「プロローグ」など静かに波打つプールの水と反射する太陽の光の交錯の中に宿るゆっくりとした時の流れと感慨が音楽によっていっそう引き立てられている。また、全編を通して非常に重い内容であるため非常な緊張感を強いられるが、三話以降のエンディングに静かに「星空のワルツ」が流れるところなどは緊張を和らげ、深い感慨に包まれる。同時に次回の話への期待を大きく膨らませるという効果もあげている。とりわけこの二つの曲が私は好きなのだが、このサウンドトラックには原作のゲームの音楽からのアレンジやアニメオリジナルの曲も収められており、個々の曲は短いが様々な楽想を織り交ぜた珠玉の曲集となっている。アニメを見た人はアニメの情景を思い起こすことができるだろうし、見ていない人にとっても期待を裏切らない曲ばかりである。ぜひ、聴いていただきたいと思う。