オリジナルアルバムとしては1997年の『フレイミング・パイ』以来4年ぶりとなる、ポール・マッカートニーのアルバム。シンプルなピアノをバックにゆったり歌うスローナンバーのファーストカット<2>(映画『ヴァニラ・スカイ』使用曲)、テンポのいいアップチューン<4>、軽快なサウンドを繰り広げる<6>のほか、ポールの息子、ジェイムズとの共作も2曲収録。優しいナンバーから力強いロックンロールまで、幅広いサウンドスタイルを展開する。(速藤年正)
進化したね。
★★★★☆
前作「Flaming Pie」から3年かな?
この3年で、ポールのサウンドはすごく変わったね。シンプルで落ち着いた感じのあった前作もすごくよかったとは思う。
でもなにか、もっと生き生きした彼を見たい、というか聴きたい、とも思ったな。落ち着いた彼も味があっていいんだけど、
もっと弾けるサウンドも聴きたかった。
それを見事に聴かせてくれたのが、今作のオープニングを飾る Lonely Road だった。超気合入って生き生きとした
彼のシャウトを聴いて、ポール若返ったな。と感じた。
他のトラックも聴けば聴くほどにハマってしまうような秀作が多くて、 From A Lover To A Friend や Your Loving Flame などの
バラードもすごくいいと思う。
彼は進化し続けることのできる、数少ないアーティストだ。と実感することのできる1枚だ。
マッカートニーの雑記帳だ
★☆☆☆☆
これはマッカートニーの雑記帳だ。そう思って聞くとハラも立たない。素材は悪くないんだけどね。途中で投げ出した感じである。こらえ性がない。もったいないことだ。70年以降に発表されたソロ作品のなかでは最低ランクだろう。年くってもこのような失敗をしてしまうというところが魅力といえば魅力。
Freedom?
★★☆☆☆
名曲は無いが、若々しいポールを楽しめる作品。Rinse Your Raindropには打ちのめされた。しかし最後の、テロの後に急遽追加されたFreedomにはもっと打ちのめされた、別の意味で。何だこれ!単純で全く深みのないメロディー。ジョンのGive peace a chanceをパクッた感のあるサウンド。ラストの白々しい喝采。私も平和を望む一人だ。しかし、プロ中のプロのミュージシャンであるポールの作品であれば、まず音楽的に人を感動させるものを作ってほしいと願う。歌詞がどれだけいいことを言っていても、音楽で駄目なら、何にもならない。逆に被害者に失礼だ。ポールなら出来上がった作品が良いかどうか見極める目があるだろうに。この作品を作ったとき、彼の周りにはイエスマンしかいなかったのではないかと思う。やはり歳をとったのかなあ、ポール。ポールらしくない失敗だと思う。
これもまた、最高作!
★★★★★
21世紀に入って60歳近くになっても、若い新しいメンバーとまたまた最高傑作といえる作品を出した。思い切って新しいメンバーとやったことが、このアルバムの勝因だと思います。『音』は今までには無い世界です。「オリジナリティーの高さ」や「今の時代を切り取る感覚」は、賞賛に値する。特に5曲目から最後までが素晴らしい。同世代のミュージシャンが過去の自分と同じようなアルバムを作っているのとは全然次元が違います。こんなにながくミュージシャンをやっていれば、普通のミュージシャンなら、過去の自分のスタイルやメロディーや「くせ」から逃れられないし、どこかのアルバムの何曲目かに似てくるんだけれども、彼だけは何年かに1度次のステップに進化されます。60歳でいままでのどのアルバムにも似ていない最高作!来日ライブもよかったです。これほど偉大なのに普通の人っぽいのも凄い!
やっぱり嬉しい!
★★★★★
長年のファンにとって、ポールの最近のアルバムを冷静な気持ちで聞くのはちょっと難しいかもしれない。オリジナル・アルバムが発売され、衰えない創作意欲に触れることで言いえぬ感動に包まれるからだ。「ドライヴィング・レイン」は、21世紀になってもポールが健在である事が示された作品で、彼の歌声が聞けただけでも感激である。9・11の事件に触発された「フリーダム」が16曲目に組み込まれている。愛と平和を歌って来た4人の仕事はまだ終わっていない。世界が愛を取り戻すまで、歌いつづけなければ、そんな思いがする。ビートルズの初期のように自分自身がレコーディングを楽しむ、というコンセプト通り、全体的に明るいムードの作品となっている。ポール特有の覚えやすいメロディーや曲構成を持った曲で埋め尽くされている。以前のような、スピーカーの前のリスナーの身体を揺らしてしまうようなマジックは姿を消しているが、ほのぼのとした味わいが漂っていて、それもやっぱり嬉しい。ポール・イズ・バック!