the Well-Informed
★★★★☆
本書の内容が正統派精神分析学の内容から逸脱しているか否かは別にしても、この1987年に発表されたC.Bollasの代表作が示唆に富んだ書物であることには間違いありません。Bollasは自己と世界に関する全ての感情はMother-Child Dyad経験の上に建てられるとするKlein的見解を基にして、その関係マトリックスは諸経験を自己・他者感覚に統合する触媒の役割を果すと仮定しています。その上で彼は「I wish to identify the infant's first subjective experience of the object as a transformational object...address the trace in adult life of this early relationship.」との見解を述べているのです。