頑張れ!シルバー世代
★★★★★
主人公は62歳、警視庁捜査第一課長を退職後は芸能プロダクションに所属し、エキストラの仕事をしている。愛犬フーバーはハンガリア産の白くて大きい犬。
この一人と一匹がさまざまな事件を解決していく。短編集でいくつかの作品が収録されているが、人情味あふれる話が多く、凶悪な殺人シーンなどはあまりない。そして登場人物の年齢層が高い。お年寄りがらみの事件も多い。
たとえて言うならばテレビ番組の「水戸黄門」や「大岡越前」のような感じだろうか。罪を憎むけれど「お裁き」には情もあり、事件の背景にあるものをきちんと理解してくれる主人公長源寺。愛犬フーバーの活躍ぶりもいい味だ。本格推理小説ではないが、楽しめる一冊だと思う。