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Linuxはいかにしてビジネスになったか―コミュニティ・アライアンス戦略

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: NTT出版
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いや~、久しぶりの名著だ。いまメールの署名に入れて、友人に布教してまわっているほどである。インターネットの今をわかりやすく、まさに旬の話題として読みとり、次世代への新たな方向性を与えてくれる示唆に富む一級の本なのだ。
ご存じのように、インターネットには2つの世界がある。1つはビジネスモデル特許や著作権などが話題の、市場原理が幅を利かせるビジネスの世界。そしてもう1つがLinuxに代表されるオープンソースなどの情報共有が尊重されるネット文化の世界。一見、矛盾し相反する2つの世界は、お互いどうつき合っていけばよいのだろうか。
本書はその答えを、IPOを果たしたRED HAT社やVA LINUX社のLinuxコミュニティとの良好な提携関係に求めた。それが副題にもなっているビジネス世界とネット文化の共生モデル「コミュニティ・アライアンス」だ。
本を読み進めると、コミュニティ・アライアンス論が深まるに従って、地域通貨や評価レビューサイトまで内容が広がっていく。これによって、Linuxの企業戦略に過ぎなかったコミュニティ・アライアンスが一般論まで昇華され、これからの社会システムとして提案されている。
特にコミュニティが市場経済とは別のシステムで動いていることを指摘し、さらにコミュニティの情報編集能力が市場経済価値へと変換できることを認めるくだりは、本当に目から鱗が落ちる思いだった。
この本はオープンソースやITビジネスに興味のある方はもちろんのこと、ネット時代の知的所有権から組織のあり方などに興味がある人に読んでほしい。(保坂昇寿)
オープンソースをビジネスを軸に読み解いた良書♪ ★★★★★
オープンソースの本丸にしてOSの風雲児である
Linuxをビジネス側面からとらえた本書。
これは、技術(OSだとかAPIだとかプログラムとか・・めんどくさいこと)
ぬきで読めるビジネス書といったカンジにしあがっていますね♪

オープンソースとは何か?
どーやってもうけるの?
メリット・デメリットは?
将来性は・・?

という疑問に答えてくれましたね。
よかったっすよ。
一過性のブームに対し、冷静に本質を探る ★★★☆☆
荒削りの論文を読んでいるようだ。それなりの背景を持つ人には理解できるが一般向きの読み物ではない。しかし「コミュニティ・アライアンス戦略(筆者らの造語)」という概念には魅力を覚える。シェアウェア・フリーウェアからLinuxに発展する流れをうまく説明している。マスコミによる一過性のブームが終わっても、きちんと分析するのは学者の真骨頂と言えよう。
アカデミックな薫り ★★★★☆
Linuxを扱う企業のビジネスモデルの分析、ネット上のコミュニティが生み出す価値の分析、その価値をどのように経済的な価値に変換するか、を説いた本。

難しい本ではないですが、文章、内容ともアカデミックな薫りのする本です。読んでて、「おもしろい!」と思う本ではないですが、ネットビジネスを考えるにあたり、how-toものだけではく、原理、原則、ビジネスモデルの考え方など、参考になること、多々ありました。

オープンソースのビジネスモデルの手ほどき書 ★★★★☆
川崎和哉さんの「オープンソースワールド」を読んだ後に、更に深い内容に突っ込んで知りたい人にお勧め。
Ester Dysonのビジネス分類と、筆者たちの分類との比較など見所多し。
「コンピューター」の向こうに「人」がいる ★★★★☆
本書を読んで、「人」が「コンピュータ」を道具として使用していることを再認識できる。本書はリナックスやネットワークを通じて見た人間の知的経済活動あるいは心理状況の解説書であると思える。

一人勝ちのマイクロソフト、シェアウエアという考え方、マイクロソフトに敗れたアップル、リナックスの受け入れられる背景、どれを取ってもそこにはコンピューターの後ろにいる人間の存在が最も重要なのである。そして、これからの時代を制するのも、人間(それも集団)の心理を十分に理解して道具としてコンピュータを利用する人、個人なのであろう。

リナックスとは何ぞや?というコンピュータ音痴の方にも十分楽しめる「文科系」の本である。