セリフの無い主人公が生み出す、豊かな個性
★★★★★
現時点での今井秋芳氏の仕事の中で、傑作と呼べる物の一つ。
学園とその地下にあるダンジョンを舞台にしたADV+主観視点探索ゲーム。
インディジョーンズ、ハムナプトラ、シンドバットシリーズなどの名作が好きな方にお勧めします。
セリフを喋らない主人公が、主に問いかけに対して【友】【悲】など、感情で返答し、
それに対するキャラクターのリアクションにより、個性を生み出します。
ショートストーリー、通称SSと呼ばれる、ファンによる創作小説ジャンルが有るのですが、
このSS、無個性であるはずの主人公を題材にした物が非常に多く、
人気投票をすれば、無個性であるはずの主人公がランク入りするほどです。
似たような会話システムの物にエースコンバットシリーズがありますが、
あれより細かく、リアクションも豊富になった会話と言って良いかと思います。
共通項はもう一つ、両方とも主人公が物語の中で空気ではなく、『ヒーロー』として扱われる点。
もっとも、九龍の主人公は、仲間と敵にあたるキャラ・内々に認められるのみで、
日常生活では普通の学生、そこもまた面白い点と言えます。
真夜中に怪しい暗視眼鏡を付け、地下で化物をアゥグ鞭爆弾等等で蹴散らしまくる生活を送っているのに、
しょぼい学生二人組みに脅されたりもする。全ては偽装なのか天然なのか、外観普通、日常普通。
東京魔人学園シリーズも今井氏の仕事ですが、外法帖の反省点からか、
こちらは脇に負けず、個性豊かすぎるキャラの中で、きちんと『ヒーロー』になれます。
魔人の主人公とは違い、「普通の人間である主人公」が、現代武器を使い、戦います。
※「初めての仕事」(チュートリアル)で、ベテランも到達出来ていない最奥へと行き、
レアアイテム入手という異常な成果をあげたという点で、有望株ではあるのでしょう。
偽高校生である宝探し屋・トレジャーハンターがアサルトライフルを撃ち宝剣を振り消しゴムを投げ、
化け物を特殊部隊を超人を魔人をバッタバッタと倒す時点で『普通』ではないのですが、
『普通』です。
キャラ(個性・テキスト)の作り方が非常に上手いクリエイターだと思います。
既存の材料を分解し、抽出・再構成する技術が高い。
戦闘がきつい
★★★☆☆
日本神話やミステリー系が好きな私は評価を見て購入しました。日本神話に関わる敵やダンジョンなどは良かったし、キャラや感情入力システムも良かったのですが戦闘が単調すぎてレベル上げが苦痛になってしまいました…。
一応最後あたりまでいきましたがレベル上げで飽きてしまい放棄。気に入ったキャラはいたのですがクリアしてまた二週目をやるきになれません(;'∩`)
時間をたっぷり使える人や、粘り強い人には向いているかもしれません。
あわなかった…
★★☆☆☆
atlasのゲームはDDS、PERSONA3・4、メガテン V、ライドウを今までプレイさせていただき、どれもおもしろく、ファンになってしまいました。
そこでこのゲームを評価も高かったので購入したんですが、(絵はみた感じあわないと覚悟の上で買いました)
内容はというとダンジョンはかなり迫力にかけてイマイチゲームの中に入り込めなかった。
あと選択肢が分かり難く「そんなつもりじゃ…」 て時がかなりあった。
なんというかかなり地味でやっててつまらなかった。はまる人はハマるんでしょうが自分にはあわなかった。
購入を考えてる人はネットで調べたりしてからにしましょう。 値段も私からすれば高い方だったので
確信犯的世界観
★★★★★
久しぶりにやってみたら、見事にまたハマってしまったのでレビューしてみます。
独自のシステムと世界観を持った良作ゲーム。
特に世界観・ストーリーはかなり確信犯的な要素満載で、人は選びますが好きな人にはたまりません。
冒険・トレジャーハンター・神話などのキーワードが好きで、
現実にはありえない友情ストーリーが鼻につかず素直に楽しめる人にはかなりオススメ。
戦闘難易度もほどよく、瞬発力を求められるシステムでは無いのでじっくり取り組めば誰でもクリア出来るでしょう。
話自体は独立してますが、東京魔人學園剣風帖の数年後の世界なので魔人ファンにはニヤリと出来る要素も多数あります。
仲間やギルド依頼人には魔人登場キャラとその関係者が出てくるし、
知る人ぞ知る隠しモードはまさに魔人ファン(緋勇ファン)のためのモードです。
もちろん、基本的に今作だけで十分に楽しめることは間違いありません。
ちょっとでも興味を持ったならばまずはやってみましょう。
この世界観に惹かれた人ならば、実際にプレイして損をすることはまず無いと言えます。
【愛】を長押し、連打で
★★★★★
久々のヒットだ。
面白いのなんの。毎回、プレイするたびに、そのトンデモ話的な内容や、魅力的なキャラクターにメロメロになる。すべてを制覇するには、かなりの時間がかかるだろう。
日本書記やら古事記やらを読んでいたり、オーパーツやら、遺跡なんかに興味があり、インディ・ジョーンズなどの冒険ものが好きなら、もう間違いなく買ったほうがいい。後悔は絶対にしない。
魔人時代から、ちょこちょことプレイしているが、今回はまったく趣が変わっている。変わらないのは、主人公は秘密を持つ転校生だということと、感情入力システムとジュヴナイルの精神だけである。けれども、それでも失敗をしていないというのはさすがというべきだろう。
探索や戦闘などは、魔人のように第三者視点でのマスゲーム(正式名称を忘れてしまった)ではなく、自分視点のマスゲームなのだ。慣れないとちょっと大変だが、慣れてしまえばこちらのものである。自分ひとりが動くので(バディは、動かさない。プレイヤーが攻撃指示などをするとその範囲において攻撃してくれる)サクサク進む。そして、主人公の所属するギルドサイトの依頼からで、敵の倒し方もさまざまある。
そのギルドサイトから送られてくる文章の解読もまた、思わずにやついてしまう感じの代物だ。(もう少し、難しくしても面白かっただろうと思うが)
そして、もう一点。
音楽が最高なのだ。残念ながら、CDを持っていないので某動画にて聴いているが、まったく飽きない。何ループでもかまわないくらい、すばらしい。その曲を聴くと、さまざまなシーンが頭に浮かぶのだから、色々と重症である。
続編は、まだかと思うのだが……、こればかりは仕方ないのだろう。
しかし、これを超えるゲームは、そうそうないと自信を持って言える。
そういうゲームだ。