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ヴィズ・ゼロ

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青心社
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超大型新人の登場です ★★★★★
この作品はすごい。嵐の関西国際空港を舞台に、ダブルスパイ、公安関係者に警察、クラッカーなどが己の人生と過去の清算を賭けて激突する。
まさにハードボイルドを地でゆく物語り展開で最後まで一気に読ませます。
登場人物が多少、多い気もしますが、作者によってきちんとかき分けられているのでシンパイはありません。
関西空港の舞台裏、コンピューター犯罪に対する深い造詣なども読み応えがあります。
買って損はないと思います。
ディテール ★★★☆☆
管制システムや空港のディテールの丁寧さには敬服いたします。が、登場人物の描き方がぼやーっとしていてもう一つ感情移入できません。あれ、このキャラクターって何歳の設定だっけ、といまひとつのめり込めない感じでした。強烈な個性のキャラクターが出てこないのが原因でしょうか。全体的に映像向きの展開です。今後に期待!
読み応えがあったが、事件の真相究明は物足りなかった ★★★☆☆
台風の影響で陸の孤島となった関西国際空港にハイジャックされた飛行機が着陸。さらに、関西国際空港の管制塔も犯人たちに占拠された。そんな中、関西国際空港に取り残されたハイテク犯罪捜査の甲斐は別件でファントムというクラッカーを追っていた。激しい風と横なぐりの雨の中、警察側からは犯人の様子は全く分からず、まさにヴィズ・ゼロ(視程0)の状況下で展開される事件だった。
過去の殺人事件の因縁と、現在進行形のハイジャック事件、そしてファントムというクラッカーの行動が関連しながら展開される事件は読み応えがあった。ただ、最後の方はとんとん拍子で進んでしまい、事件の真相も強引な面があったので、ちょっと物足りなかった。また、空港や警察内部の様子は細かく描かれているのに、警察の捜査はなかなか進まないし、犯人との交渉も常に犯人側が主導権を握っていて一方的な展開だったのも残念だった。
国産でもいいじゃないですか! ★★★★☆
航空・諜報サスペンス小説。読み応えがありました。関西空港の取材も行き届いており、リアリティが感じられました。映画化、映像化は無理かな?
次回は、よりメジャーな舞台での活躍が期待できそうです。

まさに「拾いもの」、面白いです。 ★★★★★
某週刊誌の書評で絶賛されているのを読み、はじめて本書の存在を知りました。著者も全く知らない方でしたが、これがデビュー作だったのですね。
ハイジャックされた航空機が、台風の影響より文字通り孤島と化した関空に強行着陸してくる。果たして犯人の意図とは・・・過去に起きた忌まわしい殺人を描くプロローグから一気に引き込まれます。空港の構造などについてはかなりの下調べをなさったようで、ディテールを丹念に積み上げていく硬質の文章は女性が書いたもの、しかも処女作とはとても思えませんでした。
空港内に一人たまたま取り残された刑事がいたりと、「和製ダイ・ハード」風な展開を予想して読み進んでいったのですが、そういった孤立無援のヒーローものではなく、なかなか凝った物語が構築されています。
部分的に読みにくい構成となっていることや、最後の方の展開はやりすぎてリアリティがやや希薄になってしまったことが残念といえば残念なのですが、多くの方が充分な満足を得られる、決して読んで損はしない作品だと思います。
作品自体の採点は星4つですが、次作以降に大いなる期待を込めて、5つ星とさせていただきました。