海月の気持。
★★★★☆
ブライアン・ウィルソンの域に近付いたかのようなソングライティングが縦横に走りまくる、元ジェリーフィッシュ、ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.の初ソロアルバム。
そうか、言われてみれば初なのか、などという感想も持たれたりしますが、それだけこの人が、ジェリーフィッシュ解散後も充実した仕事をこなしているとも言えるのでしょう。
思えば、たった2枚のアルバムを残して解散してしまったジェリーフィッシュですが、つまりその2作で、あっという間にバンドとしての臨界点に達してしまったのでしょう。
音楽的にも行き着くトコに行き着いたというか、恐るべき完成度を誇る2ndは超お薦めアルバム。
で。
稀代のメロディ職人の引出しが満を持して開放され、ジェリーフィッシュの新作か?と思わせる(多分)楽曲は勿論、まるでビーチ・ボーイズや、ブライトなミュージカルのような開放感、一緒に歌わずにはいられない(かも)ポップソングまで満載。
聴く度に新たな発見がある、みたいな高密度ポップ・アルバム。
お薦め。
ポップの神髄を見た
★★★★★
とにかく、素晴らしいとしか言いようがありません。 各々の曲の個性が引き立つ曲順やジャケットのデザインにもやられました。 コレを聴かずしてポップを語るべからず。
■[最近メロディーないじゃん?と思う貴方に突き抜ける極みの1枚?]
★★★★☆
21世紀の最新の音楽でMELODY重視の楽曲って少なくありませんか?他…過去の1960-80年代BEATLES/BEACH BOYS/XTC/TODD RUNDGREN他…POPS名盤ひっぱり出して昔は良かった等と天を仰いで「何でこんな時代になったんだよ!!」と嘆いておられませんか?でも大丈夫、ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.の今回のAlbum11曲はそんな貴方には「待ってました」の儒玉の名曲が揃った涙のALBUMになるやもしれません。…ジェリーフィッシュで既に証明済みのPOPの職人が4年の歳月をSTUDIOにこもり時間と想像力と夢を費やして出来上がったALBUMは眩いばかりにキラキラ輝いていたり致します。素晴らしいメロディの素材をはじめ、コーラスを制するモノPOPを制するではございませんが、ALBUM1枚に重厚なコーラスの調味料が施されプラス+豪華絢爛な編曲というソースがタップリかけられていたりするんですから一流のPOP ALBUMに違いありませんね。+10曲目が中村一義に聴こえるのは私だけ?
ジェリーフィッシュの続編だ
★★★★★
その昔渋谷クワトロでジェリーフィッシュのライブを見ました。あれから何年たったのでしょう。ムーグ・クック・ブックもチャーミングでしたが、いよいよこれまで封印していたものを一挙公開という感じですね。もともと音楽の引き出しをたくさん持っている人なのだとよくわかります。日本で先行発売されることは日本の音楽ファンとして誇りにして良いことだと思います。
ポップスファン感涙の大傑作
★★★★★
ジェリーフィッシュの登場と解散のあと、アンディ・スターマーのマイペースぶりとは対照的にロジャーは積極的にメジャー・フィールドで活躍を続けてきた。個人的にはインペリアル・ドラッグのデビューは興奮モノであった。
が、遂に満を持して登場した本作を前にしてみると、インペリアル・ドラッグは彼の個性の本の一部でしかなく、あくまでも「狙って」作った音楽性だったということがわかる。それほどに、本作での音楽性は多彩で豊潤。正にソロ・デビュー作の名に相応しい大傑作だ。
ジャケットの意匠からして、トッド・ラングレンの「魔術師は真実のスター」のモノクロ版のような、期待感を大いに高めてくれる優れもの。
音楽性は、ロジャー一人の多重録音で、良い意味でアナログチックな質感を残した宅録サウンドに、彼ならではの、ひねくれたポップメロディ、ドリーミーなアレンジが11曲に横溢する。ソロアルバムということで、疾走感や衝撃度は差ほどでもないが、トリップ感、埋没感は凄いものがある。
オープニングから6分を超える大作で、ドリーミーな煌びやかさとアコギによる繊細なメロディが反復する様は多彩なロジャーの名刺代わりの一発。その他エッジの聴いた「The Loser」、正統派ポップス「What You Don't Know About The Girl」、そして後半のメロウで静謐なTrk9〜11の流れ、あたりが個人的には大好きだ。
夢でもいいので、もう1度、アンディと手を組む事は出来ないのだろうか。そんな事を思わずにはいられない罪作りな面もあるが、とにかく大傑作。こんな素晴らしい作品を聴けるなんて、素敵じゃないか! そう声を大にして言いたい。