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意識 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 岩波書店
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「私はいま何を意識しているか」と問うことで意識が生じる。 ★★★★☆
扱っている内容はクオリア入門―心が脳を感じるとき (ちくま学芸文庫)とほぼ同じであるが、どちらかを選ぶなら本書を薦める。

「コーヒーはあなたにとっても私の場合とまったく同じ香りがするのかどうか思いをめぐらしても、私はけっして答えを見出すことができない。言葉では言い表せないこれらの質がクオリアである」と説明されると、意識の問題におけるクオリアの重要性がよくわかる。

自由意志が存在するか否かを論じる際に必ず引用されるリベットの実験は、「何かをしよう」という明確な意思決定の前に、既に脳が活動を始めていることを実証した。意識的な決定が脳過程に先行するという考えは、意識がいわば無から出現して、脳内の物理的事象に影響を及ぼすことができることを意味する点において、魔術以外の何ものでもないとの著者の主張は正しい。

夢とは何か。夢とは、結局、記憶に残っている多様な断片から、目覚めた後に一つの物語を紡ぎ出したものであり、実際に紡ぎ出された物語は多数の可能な物語の一つにすぎない。したがって、夢とは「遡及的選択」の結果であり、実際に見た夢など存在しない。

意識については、「私はいま、意識があるだろうか」と問うときはいつでもイエスの答えが得られるが、問いを問うていないときには、意識を認識できないという事実から出発するしかない。

「私はいま何を意識しているか」といった問いを問うことで意識が生じてくるという本書の結論は、平凡であるが、これ以上の答えはないと直観する。
意識の問題への入門書 ★★★★★
 意識をめぐる問いは難しい。問いの立て方からして難しい。「意識がある」とはどういうことを指すのか,それが最後まで問われ続けている。
 1冊でわかるシリーズの一冊で,基本的な論点は整理され,研究例も取り上げられている。哲学による思弁的なものではなく,心理学,神経生理学による実証科学的なアプローチからきちんと議論されている。全体像を描きながらも,著者のスタンスもある程度表明されているが,それに共感するか批判的に読むかは読者次第。いずれにせよ,「解決した」問いではないのだから,この本を最初のとっかかりとして,巻末に紹介されているような本に進むとよいであろう。著者はサイエンスライター。
意識を問うことから意識が生まれる? ★★★★☆
複雑な議論を、簡潔に、分かりやすく提示してくれる本です。「意識」について現在どのような議論がアメリカやイギリスでなされているのかを、思い切って単純に記述しています。
他の「意識」関連の著作のように、もってまわった言い方をしない分だけ、読みやすく(偉い学者の意見だからというだけで尊重したりしない)、全体の見取り図を描いてくれるのはありがたいです。
しかし、意識とは大きな錯覚である、自らの状態を問うことへの答えを探す努力、自己という物語を語ることから生まれるというのは、目からうろこの結論で、常識をコペルニクス的に転回させます。
これが最終的な意識研究の結論とはならないでしょうが、今後の議論のひとつの礎となるのかと思いました。
これだけ短いページによく豊富な内容をもりこんでくれたと驚きます。
仏教思想への親和も、ちょっと刺激的ですね。