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私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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是非読んで欲しい ★★★★★
 是非多くの方に読んで貰いたい。というか、読むべき本だと思う。
 読んでいる間中、精神的な負担が凄かった。精神を力一杯がくがく揺すぶられているような感覚で、普段の生活も余りいい状態じゃなかったけれど、だからこそ読むべき本だと思う。
 お腹いっぱい御飯を食べた後に、餓死した男の子の日記を読んだ時のあの罪悪感。
 幸せに暮らして御飯を沢山食べられる人間が、罪悪感を持たねばならないような時代があった事、そして今でもある事への怒り。
 15歳や16歳の、まだまだ子どもの年齢の彼らが、国の大きな流れに対して自分が余りにも無力な事を痛感し、嘆いている。
 他にも戦争の体験記や回想録はあるけれど、この本が凄いところは、7ヶ国16人の若者達が書いた手紙や日記を、時系列順に並べている事。勿論彼らが国の代表ではないけれど、いつ、何処の国のある場所では、こんな事が起こっていたというのが多角的に分かる。
 そして、国による教育や洗脳による考えの違いはあれど、どの若者たちも、国を思い、家族を思い、死の恐怖に怯え、必死に考え生きているという事。
 敵対する国の若者たちの日記や手紙が並んで書かれている事で、その事が本当によく分かり、よく分かるから本当に哀しくなる。
 もう一つこの本が凄いのは、翻訳。元は英語で出版された本だけれど、そのままそれを翻訳したのでは、原語→英語→日本語の二重翻訳になってしまう為、手紙は日記の部分はそれぞれ原本を取り寄せ、それぞれの言語の第一人者が原語→日本語に訳しているところ(一部、原本が手に入らなかった部分を除き)。とても力の入った翻訳本だと思う。
 ちょっと日本人的に残念だと思うのが、基本的にヨーロッパ方面を中心に構成されているので、アジア方面は日本人2人しか登場しない事。日記も太平洋戦争に突入してからのもので、それ以前の様子には殆ど触れられていない事。アメリカ人も1人しか登場しない。
 中国や韓国、インドやオーストラリアなど、今回登場しなかった国の人々の手記なども集めた本が出てくれればと強く思った。そう簡単な事ではないけれど。
 その日本人の2人は、1人は東京帝国大学に通う青年・佐々木八郎さん、1人は14歳の福島県の少女・加藤美喜子さん。
 特に興味深いのが加藤さんの日記。佐々木さんは、加藤さんよりも年齢も上で、如何にも高い教育を受けた人の文章という感じだし、他の国の若者達の言葉は、大人が翻訳したしっかりした文章で、漢字も多く使われている。でも加藤さんの部分だけは漢字が少なかったり、文章もつたない感じがするのだけれど(でも決して頭が悪いという印象はない)、それが却って、一番“生の声”という印象を受けた。
 それからイギリスの若者が当時ピーナッツバターを知らなかったり、アメリカの若者がフィッシュ・アンド・チップスを知らなかったりなどという、普通の戦史では出てこないような話もあって、そこが少しホッとするような話題で印象に残った。
 私が知らないだけかも知れないが、何故この本が全然話題にのぼらないのか不思議でならない。私が購入した本屋でも、ちょうど終戦記念日前だったので、一応他の戦争関係の書籍と並んで平積みにはなっていたけれど、それ程目立つようには並べられていなかったし。
 もっともっともっと、色んなところで取り上げて、紹介すべき本の1冊だと思う。
 評価の星の数は最高5つだけど、気分としては10くらい付けたい。
 是非是非是非、多くの人に読んで欲しい。
訳者が結集! ★★★★★
 第二次世界大戦当時の連合軍と枢軸国十六人の若者の手記によって構成された、セミドキュメント。同時代を生きている若者が、別の場所、別の立ち位置でこの戦争のただ中、何をどう考えていたかが、伝えられます。
 日本語訳は、各国語からの直訳にするため、現在一線にいる訳者が結集しました。
 映画にして欲しいなあ。(ひこ・田中)