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暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 (岩波文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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とにかく楽しい! ★★★★★
 地味な純文学だろう、とちょっと構えて読んだんですが、とにかく笑えました。作者がモデルと思われる、貧乏な作家と、その奥さんの日常が、落語的なテンポの良い文章によって描かれています。
 主人公の作家は、いかにも純文学の人らしく、悩みがちな人柄なのですが、奥さんは天然と言っていいほど裏表がなく、無邪気に喜怒哀楽を表す人物で、主人公は、「本当に天然なのか?」と首を傾げるくらいです。
 こういう奥さんだと、作家も深刻になりようがない。苦悩に陥ろうにも、どこかでストップをかけられてしまうというおかしさが全編にただよっています。
 短篇集なので、じっくり味わいながら気軽に読むことができると思います。



のんきめがね ★★★★★
妻に暴力をふるう
→妻「の」元から逃げる
→友人の妻に元妻がなる

といった日本私小説の王道を行く作者の元に,のんきめがねをかけたすっとんきょうな若い妻がやってくる。
作者は戦慄する。
また自分はこの女をいじめてしまうのか
と。
そんな短編小説でこの本は始まります。
深刻なボケとボケの夫婦漫才,軍配は若い妻にあがったようです。

ひどい話がなんでこんなにユーモラスなのか,よく分かりませんが,
あれもあい これもあいですね。