「孤月剣」開眼
★★★★★
「舫鬼九郎」シリーズ第4作です。
第3作「鬼九郎五結鬼灯」で明らかになった鬼九郎の出生の秘密を受けて、彼の父親との対面に京都に向かうお馴染みのメンバー一行の旅の様子を描いて行きます。
その対面を阻止しようとする敵に遭遇するのですが、これが又強くしつこいんです。
しかも、両者の腹の探り合いが又面白い。
従って、戦いや頭脳合戦で、飽きることなく読ませます。
ストーリー・テラーの面目躍如と言ったところでしょう。
この本で作者は、鬼九郎に「孤月剣」を開眼させています。
しかしそれは、ただ単に「剣の道」と言うだけではありません。
それは、人間が「生きる」と言うことはどういう事なのか、と言う非常に哲学的な問いへの回答のなっています。
楽しい一冊です。