ROVO、裏の真髄
★★★★★
「小型マイク録音のため通常の音質とは異なります」という丁寧な注意書きがついた本作は、正に取扱注意な危険物だ。凄まじいテンションのライブが、音質悪い小型マイクによって、逆に一音一音、粗く、鋭く、素早く、強靭にビルドアップされているこのCDには、いつも我々を広大な宇宙へと飛ばしてくれるROVOの姿は無い。あるのは、眼前で破壊を繰り返してブラックホールを創り、我々を力づくで引きずり込む様な、圧倒的なまでの暴力、そしてカオス。鳥肌が立つ。ここまで音に暴力を感じたのは初めてだ。恐ろしい反面、こんなにも壮絶な作品に出会えた事に、喜びを感じる。はっきり言ってROVOファンには勧められない部分が多々あるとは思うが、是非聴いて、ROVOの内に潜む、否応なしに我々を宇宙へ飛ばす暴力性が爆発する瞬間を、感じ取ってほしい。