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元気がなくてもええやんか

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青土社
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「老い」や「ゆとり」についての飄々感溢れるエッセイ集 ★★★☆☆

 肩の力の抜けた飄々感溢れるエッセイ集。1997年から2003年にかけて様々な雑誌や新聞のコラムなどに書いた文章を集めたもの。山椒の粒のようなエッセイではなく、吹く風のようなエッセイ。

 全体を覆うテーマとして「老い」や「ゆとり」というのがあるんだけど、老いをネガティブに捉えるでもなく、だからといってポジティブに捉えるわけでもなく、とぼけているのが面白い。

 著者は「道化的知性」という言い方をしているんだけど、失敗して凹んでいる自分を一歩引いて見て面白がっている自分がいるそう。その感覚が面白い。その感覚で生きてきた人。遊び心の豊かな人。

頭をやわらか~くしたいときにオススメ! ★★★★★
 ぼちぼちでええやんか、まあそこそこでええやんか。正しいことは伝わりにくいけれど、楽しいことは伝染する。のめりこむことは結局は失敗に終わるけれど、のめりこむことが若さというもの、失敗というむだもゆとりの一つ。必要最小限だと忘れたときに困る。全部覚えるのは忘れてもだいじょうぶのユトリのため。

 ……などなど、アタリマエと思っていた思い込みをひっくりかえされる快感を味わいたい人には特にオススメの本です。オセロのゲームで相手の置いた一手が自分の札をくるくるくるくるとひっくり返し、あっというまに負けていた、悔しいんだけど、ちょっとびっくり、ちょっと快感、そんな感じ。

 読んでいて、そうだよね、そういう考え方しなきゃね、と思っていると、またその考え方の別の面を見せられて、そこでまたそれが正しいと思いこんでしまうことがいけないんだよねえ、と諭される。いったいどっちが正しいんだ?矛盾してるじゃないか、と読み進めると、正しいことなんてわからないよ、人生なんてそんなもんさ、といった感じでかわされる。どう生きればいいのか、何が正しいのか、なんて力んで考えている時にこの本を読むと、ああやっぱり、自分はまだまだ青いな、と思い知らされます。

 多様性、ゆとりの教育、民主主義……わかっているようでよくわからないことを、頭を柔らかくして考えたい時、読んでみるといいと思いますよ。そうかそうか、そう考えるんだ、とヒントを与えてくれること請け合いです。そのあと、でもそれもまたこうなんだよねえ、とひっくりかえされますけど。それをおもしろいと思える人、ぜひ読んでみて下さい。