私はもう一冊の宗教色キトキトの作品を読んでしまったので(知らずに)それが下地かと思うと...つい...(そちらの本であまりにもがっかりしたので尾を引いてしまって)で星3つなのですが、筆者独特のテンポも昔からのファンとしては嬉しいし、お話の構成も多少、先が見え見え、っぽいところが、彼の(ご自身が愛しておられたはずの)TV屋さん的娯楽構成の意図が見え隠れして良いと思えます。
お話としてだけとらえたら星4つかな、という感じです。こういう題材をこう、オンナノコ用にきれいに書いてくれる人も他に居ないのではないでしょうか。
リッチでファッショナブルなアイテムが、商品名、ブランド名丸出しで並ぶのは、一般的には苦手なのですが、それらがどんなデザインで、どんな色で、と画面を見ているようにイメージできます。地名が具体的なのも、現地を知っていると、登場人物と一緒に歩いているような感覚になるります。おそらく、主人公が過去世をビジュアルで観るという設定に即して、読者を同じ視点に立たせる手法なのだと、この作品に関しては思えます。
過去世、転生などなど、信じる信じない、ではなくて、素直に楽しめるといい本だと思います。
素直に楽しめる人というのは、それらもろもろを信じないまでも否定して考えない人、ということになるのでしょうが...。
ふっと週末なんかにさらっと楽しみたい、という感じでしょうか。