このアニメ映画のサウンドトラックに収録された古めの曲の大半は、かなり知られているので、リスナーにかなり飽きられる寸前とも言えるが（ヴァンゲリス『Chariots of Fire』のテーマは20世紀の音楽で最優先で救わねばならない曲のひとつだ）、そうした曲の心地よさは否定しがたくもある。アース・ウィンド＆ファイアーの「Boogie Wonderland」を見よ。またかって？　そうとも！――それでも、このアルバムの背後にいる頭脳たちが映画本体からの断片でも収録してくれたらよかったのにと、思わずにはいられない。映画では、ベン・スティラー、クリス・ロック、デヴィッド・シュワイマーといった才能あるヴォーカリストたちをフィーチャーしているのだからもったいない。サウンドトラックの目を引く１曲はリール・トゥ・リアルの90年代初期のヒット「I Like to Move It」をサシャ・バロン・コーエン（別名アリ・G）がカバーしたもの。コーエンはキャラの声を演じてもいる。この曲は子供たちに人気の曲となって、クールなバースデー・パーティーになくてはならない曲となるだろう。他の注目曲は「Best Friends」で、ビーチ・ボーイズとベル＆セバスチャンの中間のようなキャッチーな曲で、作曲家のハンス・ジマーが必要とあらば軽やかに気まぐれになれることを証明している。（Elisabeth Vincentelli, Amazon.com）