フィーリングにあう
★★★★★
久々の金城一紀。在日朝鮮人とか、ブルース・リーがやけに出てくるあたり相変わらずだな、と。
今回は「ローマの休日」の公民館での上映を軸・きっかけに色んなストーリーが展開していく中、そこにまた映画が盛り込まれていて、何となく映画が観たくなってくる。すべてのストーリーにおいて「ローマの休日」の鑑賞が出てくるけど、そこまでの展開自体はそれほど精密ではなくて唐突な感じ。でもそれはそれでいいのかもしれない。一個一個が面白ければいい。
一番いいのは最後の「愛の泉」。うまく表現できないけど、僕のフィーリングにぴったりあう。こんな感じの大人、学生でいたいな、と常々思っていたから。こういう感じのやりとり、心理状態でありたい、と常々思うから。
中表紙のポスター。
★★★★★
「愛の泉」を読んでいて、
終盤は涙が止まらなかったです。
大好きなおばあちゃんのために
孫たちががんばる姿。
そして、
中表紙にあるポスターの意味。
すごくよかった。
とても陳腐だけれど、
そうとしか表現できない。
おばちゃんと少年
★★★★★
切ないけど、どこか笑える。全てのストーリーが素敵で忘れられない一冊です。
ローマの休日というのもいいですね。
発想はすごくいいが・・・
★★☆☆☆
金城氏の小説は初めてです。
ストーリーの発想はとてもいいと思います。興味をそそります。自分で結末を想像などしてわくわくして読みました。ですが、普通に終わってしまい、いささか残念・・・
ストーリーの流れも、短編にしては少し無駄があるようで、なんどか眠りに・・・。
金城氏のいくつか作品を読んでみるともっと違う感想を述べれたのでしょうね。
読み始めのワクワク感で、星2つつけました。
金城作品が好きな人もそうでない人もぜひ読んでもらいたい!
★★★★★
作者の「映画」に込めた思いを作品にしたもので、これでもかっていうほど、映画が登場し、私はあまり映画に詳しくないので作品名を出されても、あまりピンとこなかったですが、映画ファンの人なら、自分の知っている作品がいろいろ出てきたら楽しく読めると思います。
作品には、作者がよく扱うテーマである在日朝鮮人である事への葛藤、圧倒的な喧嘩シーン、純愛、広い世界への憧れ、冒険など、彼の過去の作品をギュッと一冊にまとめた本だと感じました。「レボリューションNO.3」での若者の冒険、「GO!」での純愛、在日問題、「フライダディフライ」での正義のための暴力など、過去の作品と類似しているところがよくありました。私は、金城作品ファンなので、ファンならぜひ読んでほしい一冊で、ファンでない人も金城作品を知るきっかけになれる一冊だと思います。
また、この本の中には、印象的で心にぐっとくる名台詞が多々あります。さすが金城節だと思いました。