ブルックナーの大家、ヨッフムによる名盤です
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人気の5、7、8、9番に隠れ、今一つ、人気のない6番ですが、個人的には、第2楽章の美しさをはじめ、非常に好きな1曲です。で、当アルバムの指揮者は、国際ブルックナー協会ドイツ支部の理事長を、長らく務めたブルックナーの大家、ヨッフムです。
ヨッフム指揮のブルックナーは、決して派手さがなく、じわじわと良さが湧き上がってくると言われますが、このアルバムも、その世評同様、最初の頃は、あっさり通り過ぎてしまうのですが、何回も聞いているうちに、虜になってしまう魅力を持ったアルバムです。
中でも、やはり、秀逸なのは、第2楽章の美しさ。良く天上の音楽という形容をされる音がありますが、まさに、その言葉がぴったりの演奏です。
ブルックナーファンであれば、一度は、聞いておきたいアルバムです。
この演奏を未だに超えたディスクはない
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6番はブルックナーの交響曲の中でかなり地味な存在。しかし第1楽章は、少なくとも第7番などには決して引けを取らないし、第2楽章に至っては、ブルックナーの最高傑作とも言い得る。 それなのにあまり頻繁に演奏されないのは、後半2つの楽章(3&4楽章)がちょいとユルい気がすることと、あとこのヨッフム盤のような 本当に「名演」と呼べるようなディスクが存在しなかったからと言えるのではないか? とにかくブルックナーファンであれば、この演奏は絶対に聴いてみるべきだ。 人間臭のしない、みずみずしい第1楽章。快晴なのに雨が降っている??みたいな不思議な別世界を彷徨っている気になる第2楽章など、晩年の8番や9番にも描かれていない 一種独特なブルックナーを聴くことが出来る。
2,5,6番が好きなヘンタイ
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この演奏、まるで昨日録ってきたみたいに清新。6番は7番よりもはるかにダイナミックな曲だがなぜか人気がない。もしそのせいでこれを聞いたことがないなら、いますぐに聞くべし。すらすら、さらさらと聞かせてくれる見事な演奏。重すぎず、かといって軽すぎず。南ドイツの楽天的なところを強調したらうがちすぎ? でも、あの荘厳なチェリビダッケ/ミュンヘンの演奏の対極に位置するような不思議な音色。私はここのところずっとこれを車で聞いていて飽きが来ない。1楽章の終わりなんか、もうちょっと粘って欲しいし、ティンパニが不完全燃焼かなと思えるけど、2楽章の美しさに魅せられ、ついつい何度もリピートされるに任せてしまう。このシリーズの中でも間違いなく買いの1枚!! そうそう、車の中で聞きやすいのは、ブルックナー信者にとって媚薬のようなダイナミックレンジなんだなあ、これが。
比類なき名演
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6番には他にもヴァント、朝比奈、スクロヴァチェフスキ、アイヒホルンと名盤が多いが、このヨッフム盤はそれらと比べても頭一つ抜けた次元が違う名演と言える。ヴァントや朝比奈といった正調なブルックナーに対してヨッフムの演奏はややロマンティックであるが、それがブルックナーの中では小型でスケールの小さいこの曲の特徴と見事なまでに合致して、類まれなる名演奏となった。特に第2楽章の第2主題の美しさはこの世のものとは思えず、あの世から響いてくる天上世界の音楽のようだ。1966年の録音だが音も良い。