改訂版と銘打ったものの…
★★★☆☆
本書は初版が上梓された折,私は素晴らしい参考書だと感じた。
見ていておもしろいと思った。
そして今回の改訂である。
文英堂のフラグシップたる『受験・日本史B(改訂版)』には,旧版とほとんど変化がない。例えば「富本銭」が載っていない。「キトラ古墳」も見つからない。「三内丸山遺跡」や「吉野ヶ里遺跡」はわずかにその名は見えるものの,他の遺跡に施したような解説が欠けている。それどころか,「葛生人」や「三ヶ日人」が旧版と同じ説明のまま堂々と旧石器時代に残っている。
本書は巻頭に「いかなる試験問題が出されても適切に対処しうるよう配慮した」とあるが,一体どのような編集方針だったのか疑問を呈さざるを得ない。