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バルトーク:管弦楽のための協奏曲,弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽

価格: ¥1,680
カテゴリ: CD
ブランド: BMG JAPAN
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にわかには信じ難いが名盤。 ★★★★★
録音も古く、現在のバルトーク解釈はもっと進んでるはず、と思ってしまうが、何故か名盤としか呼びようがない。作曲家と指揮者が同じように呼吸していた、当時の時代の気配と言おうか、もっと広く、夜の闇の暗さの持つ深み、捉え難さ、恐怖感という精神生活の雰囲気が、過不足なく表現されてるかと。デジタル全盛のバリバリにクリアな音質でなく、アタック音以後に混然と区別の付かなくなってしまうような、管と弦楽器の一体的なアナログな音が、逆に効果的に曲の構成感を引き出している。デジタル新盤なら、あまりよいと感じられなかった。
緊張感に富んだ、強く心に訴えかけてくる名演 ★★★★★
 精神の自由を守るため、ファシズムに対して断固抗議したハンガリーの作曲家、ベラ・バルトークの悲痛な叫びが聞こえる『管弦楽のための協奏曲』(1943)。
統一感のある端正な構成の中から、余分な贅肉を一切削ぎ落とした厳しい音の群れが立ち上がってくる『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』(1936)。

 ハンガリーの作曲家ベラ・バルトーク(1881-1945)の二大管弦楽の名曲を、同じハンガリーの指揮者フリッツ・ライナー(1888-1963)が、極めて緊張感に富んだ演奏を展開していて、思わず襟を正したくなりました。とりわけ、「オケ・コン」の終楽章、無窮動風の音楽が次第に高揚していくところと、「弦・チェレ」の中間二楽章、【Allegro】と【Adagio】の無駄を排して研ぎ澄まされたところが素晴らしかったですね。鬼気迫るものがあって、ぞくぞくしました。

 「オケ・コン」が1955年10月22日、「弦・チェレ」が1958年12月28&29日、ともにシカゴのオーケストラ・ホールでの録音。今から五十年前の録音だというのが信じがたい、そんな鮮やかさと切れ味に満ちた演奏。強く心に訴えかけてくる名演です。
<名盤>とは何か ★★★★★
 バルトーク (Bela Bartok)の代表作を収録した1枚。フリッツ・ライナーは言わずと知れたバルトークと盟友のハンガリー同国人。シカゴ響は彼が徹底的に鍛え上げた当時の米国最高スキルのオーケストラ。1955年、1958年シカゴ・オーケストラ・ホールでの録音。

 <1>作曲家の意図を最大限に表出する、<2>指揮者は同作品について深い解釈と至上の熱意を有する、<3>オーケストラは意志的、技術的にこの<1><2>を正確、最良に再現する・・をもって名盤の基本条件とするならば、本盤は規範的な<名盤>である。

 例えば、バルトークの音楽が、ドボルザーク同様の卓抜したメロディ創造力をもち、ストラヴィンスキーに双璧する抜群のリズム感覚をもっているかをこの演奏ほど見事に教えてくれるものはないだろう。ライナーの後期の演奏に駄作はないと言われるが、この1枚に賭けるちょっと過剰な熱意は、この録音を聴いていて「ひしひし」と伝わってくる。シカゴ響も実に熱くかつ巧い。各パートの名人芸が魅力のこれらの作品ではその点は重要なチェック・ポイントであるが文句なし。

 以上、名盤の<3>要素を完全に満たしていると考えるのは私だけではないだろう。録音こそ古いが本作品を聴くに不足はない規準盤であり、その質量の充実ぶりからいまも他の追従を許さぬベスト盤と言えるだろう。