郵便物を配達せず、他人あての手紙を読んで嘲け笑うシーン。これでさらにポストマンの抱える暗黒面を象徴している。とにかくポストマンは人生が面白くないのだ。
チンピラの堀部が餓鬼時分の感情あるか?と問うシーン、非常に身につまされる。
一人の女と出会うことで忘れていた感情を取り戻し、本能のまま動きだすところに安心し共感を受ける。
これらを堤真一が見事に演じている。素晴らしい役者である。遠山キョウコの幸薄い感も役柄とマッチし、短く淡い恋に彩を加えている。純愛映画とも人間ドラマとも、ギャク映画ともとれる何重にも張り巡らせれた邦画のエース。