著者が中央大学にて使っている総論のテキストの3版です。2版同様バランスのとれた記述になっています。ちゃんと学派対立、因果論など諸説の丁寧な解説の上、自説の展開がなされているのは初学者にとっては読みやすい一因です。基本的に本書は行為無価値論に依拠しながら書かれていますが、それを全面に押し立てた解説ではなく、あくまでも結果無価値論にも気を配りながら書かれています。学部の総論のテキストとしては最適だと思います。著者の各論は編著物しかないので、各論を待たれるところです。

刑法の基本書としてはとても使いやすい本です。各学説に関する解説が充実しています。

２００５年現在の、中央大学通信教育課程「刑法総論」の指定教科書です。内容はやや古典的な書き方、構成ですが、分かりにくいことはないと思います。