企業の直面する国際法務問題についての良い教科書
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企業が直面する国際取引に関する法律問題を幅広く扱った教科書的存在の本である。商品の国際売買については、民事法、国際売買に関するアンチダンピング、知的所有権などの行政規制、製造物責任法の問題が取り上げられ、企業の国際投資についての諸問題、紛争解決手段も扱われており、企業において国際法務を担当する人には、必要十分な内容となっている。
企業が実際の国際法務問題に巻き込まれたときには、言語の問題もあり、外国の弁護士などを使うのが通例だろうが、企業としては弁護士に任せきりではダメで、コントロールしていくことが必要だ。本書は、そのための良い手引き書となる。著者は二人とも大企業で国際法務問題を担当した豊富な経験を有しており、実体験、実務を踏まえた、実際に役立つ内容となっているが、実務家のみならず、経済関係の国際紛争に関心がある人に最適。