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インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: ダイヤモンド社
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   蒸気機関を利用した紡績機が発明されたことに端を発する産業革命。それと比されることが多いIT革命であるが、蒸気機関と同様、ITも、それだけでは革命を起こすエンジンにしかならない。

   そのITを利用し、製造業における金型設計・制作ソフト「KATACAD」を独自開発し、従来45日かかっていた携帯電話の金型製作工程を、45時間にまで短縮したのが株式会社インクスである。本書は、3次元CADとの出あいから、インクスの設立、そして独自のプロセスを開発して24倍の生産性向上を実現するまでがつづられている。

   製造業における「日本の強み」とは、神業的な職人芸を持つ匠による、金型製作にあった。しかし「成功体験が変革への最大の抵抗勢力となって、一転して時代に取り残されてしまう。そうなる前に、ITを駆使したまったく新しいモノ作りの仕組みを作らなければならない」という信念から、山田は、金型作りの暗黙知を目に見える仕組みへと変えていくことを目指す。

 「匠の技がシステム化されていく」現実に関して、寂しさにも似た感情を抱く人も多いに違いない。現に本書でも、熟練工の嘆きに触れている箇所がある。しかし山田は、「守られるべきは『彼がいないとできない』という幻想ではなく、目に見える仕組みの中に宿る『彼がいたからできた』という技術の連鎖である」と述べている。こうして生産の効率化を追求していく結果、最終的に残るのは、アイデアとデザインという、“ブランド”の部分になるのだ。

   本書には、これからの製造業がどういう進化をとげるべきかというモデルケースが提示されているとともに、日本が“ブランド”力で勝ち残るためのヒントが隠されている。製造業に携わっている人だけではなく、ITが産業に与えるインパクトについて考察したい人すべてにおすすめしたい本である。(朝倉真弓)

技術者魂を揺さぶられました。 ★★★★★
製造業で開発や生産に携わっている人にお勧めの一冊です。

IT(Information Technology)革命の本当の意味を知ることができました。
パソコンやインターネットだけではなく、仕事の全てをデータ=情報(Information)
として認識し、組み立てなおすことで、圧倒的に仕事を効率化する。これが本当のIT革命です。

技術者魂を揺さぶる名言も満載です。「自分と同じ製品を開発するライバルが世界に
400人程度だと知った時、やる気のスイッチが入った。」「月に人を送り込んだのだから、
できないことはない。やり方を知らないだけ」

この二つの言葉を心から信じることができる人こそが、新時代の技術者にふさわしいと思います。
『究極』を見える化するために・・・ ★★★★☆
 今よりも30倍速で製造する方法とそれを実現する技術、未来の日本の製造業のあり方について書かれております。

 熟練工の暗黙知を形式知にし、さらにシステムに組み込むことで究極的には無人自動工場を目指しております。

 あらゆるモノ(食料を含む)が早く安く無人で作れるようになった未来に、人間は何をしているか?を考えさせられる一冊です。
メーカー勤務&理系必読 ★★★★★
3DCADでメーカーの金型作成工程を圧倒的に(45日→45h)短縮するインクスの社長の本。
「物欲を無くなる程生産性を上げモノの価値をなくす」ことに取りくんでいる。
※ちなみに金型って文字通り「型」です。たいやきを作るヤツみたいなもの。

日本のメーカーについて、熱くなれる!
理系はみんな読んで欲しい。

この人がすごいところは。
・特に海外にヒントを得た訳でもなく、日本発の技術ベンチャーであること
・45年の熟練金型職人の「この辺でエイっ!」って暗黙知を、CADを扱って数年の
人でも作れる起こす形式知にしたこと。

素晴らしい!山田さん会いたい!

ちなみに。結構難しい。二回目に読むと割りとすっきり入った。
すごい本だ! ★★★★★
 久しぶりに大きく感動した本である.これまで,「インクス」という会社名や「山田真次郎」という名前はテレビや書籍で紹介されていたので,ある程度知っていた.しかし,今回この本を読んでそのすごさと感動の度合いはまったく違ったものだった.これまでのものは,他人の好事例として紹介されたもので,いわゆる「聞きかじり」に過ぎなかったのだ.この本は,山田真次郎氏本人の直筆体験談なので,そこが違う.例えば,月面着陸成功談にしても,取材記事と本人の体験談ではその深みや感動がまったく違うのと同様だ.更に机上の理論や空論ではなく,現実に実現したことなので驚きである.その意味では前回の「巨象も踊る」ルイス・ガスナー著(日本経済新聞社)もジャンルは違うものの同様の自己体験談で,大きく感動した.

 この本は,金型産業という製造業の基盤を支える産業の一事例を紹介したものであるが,製造業全般の人,特に技術系の人には大いに参考になると思う.IT革命と言われて久しいが,革命といわれるほど大きな波がどこに押し寄せているのか,うすうす感じつつも実感できないのが実情であった.ところが,この本は鮮明にそのことを描き出してくれている.

 特に印象に残ったのは,1)従来は設計,試作,金型製作という分野でそれぞれ設計図を元にやりとりしていたが,設計から金型製作まですべてをコンピュータの中で行い,従来の1/24の時間でできるようになった.2)これまで神技といわれるような人間がやっていた仕事をすべてIT化して,人間のあいまいな判断をなくした.3)日本はこれまで品質とコストを目標にしてきたが,インクスはスピードが命である.インプットとアウトプット以外はコンピュータの中ですべて処理されるので,いわば光速で処理している.4)今後10年以内に製造業に30倍程度の生産性向上が起こることは夢ではない.原価が1/30になるのだ.更に50倍,100倍の生産性向上をめざしているが,まったくの夢ではない.等々

 私は以前,ドイツの名車ベンツに日本の三菱のエンジンが載せられているという話や,時計といえばスイスと決まっていたのが,日本が追い越し更にアジアへと移っていった,という話を思い出した.技術というものは,固執して極めていただけではいつかジャンプして追い越されてしまうことがあるのだ.ITがその大きく転換させるエンジンなのだ,ということをこの本は詳しく語ってくれている.これこそ革命なのだ,ということがよく分かった.日本は今がジャンプする最大のチャンスである.従来の技術にとらわれて数%の改善に一喜一憂している時ではない.目を大きく見開き,この大きな波をうまくとらえ次のステップに踏み出さなければならないと強く感じた.詳しくは,本書を読んでいただきたい.

これこそ、日本のエクセレントカンパニー ★★★★★
21世紀に日本の製造業が再びワールドクラスに再生する可能性が高くなってきた。その際に、技術力や経営力だけでなく、ITを活用し製品開発力、業務プロセスの強化を図ってきた同社の成功は大きな糧となるだろう。社長自らが執筆し、その哲学を披瀝している。あらたなエクセレントカンパニーの登場を感じさせるに十分な著書と思う